本作品の主人公である黒木智子および登場人物が通学する私立高等学校。読みは「はらじゅくきょういくがくえんまくはりしゅうえいこうとうがっこう」で通称は「原幕【はらまく】」。千葉市美浜区に実在する渋谷教育学園幕張高等学校と昭和学院秀英高等学校がモデルとされている。学校名および通称は智子1年次の終盤(喪35)にて明らかにされた。
本校の所在地は明らかにされていないが、最寄駅はJR京葉線・海浜幕張駅(喪95(扉絵))、JR総武本線・幕張駅だと思われ(喪117「密着」)、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 小説アンソロジー』には本校を基準とした周辺図が掲載されている(ただし公式設定ではない)。生徒はそれぞれJR線と徒歩(智子・田村ゆり・吉田茉咲・岡田茜・伊藤光・内笑美莉・宮崎さん・麗奈1)・佐々木風夏など)やバス(田中真子・小宮山琴美・今江恵美・南小陽・二木四季・楠夏帆・つぐちゃんなど)を利用して通学している。
智子および彼女の弟で翌年に入学した黒木智貴が1年次の時点では少なくとも10クラスは存在しており2)、智子3年次の球技大会では全学年合わせて最少で33、最多で64のクラスが存在すると推定される一方、各クラスは最少でも30人編成らしいことから(詳細は球技大会参照)、かなりなマンモス校であることは疑いなく、「生徒数多いから(智子とは)今まで会わなかったけど…」という小宮山さんのセリフ(喪46)もこれを裏付けるものとなっている。
本校への入学については推薦入試と一般入試が行われており、前者に関しては作中では明確な描写はないものの中村くん・智貴友人2・智貴友人3の3名が合格している(喪35)。後者に関しては「学校行事・イベント」の項目を参照。高校入学後(2年次)の成績が平均点ラインだった(喪44)智子が本校受験時の入学試験中に「結構ギリかもな…」と焦りを感じている(喪110)ことから、本校の入学にはそれなりの学力が要求されることが窺える。事実、智子と一緒に行きたいという思いから本校を受験した親友の成瀬優(智子の回想では「成績は中の下」(喪3))は、試験途中に笑顔でポカーンとした状態になってしまい、その様子を見た智子から「完全にレ●プ目だ… 駄目そうだな……」と思われてしまった。結果、ゆうちゃんは不合格だったため幕張本郷高等学校3)へ進学している。
本校における学科のコースについては2年次より文系・理系に分けられており、1年次の進路希望調査において希望のコースを選択するシステムになっている。また、コースの選択理由も記入する必要がある(喪31)。選択科目についての詳細は明らかにされていないが、智子2年次終盤に行われた「2年4組最後の打ち上げ」(後述)では真子が「で でも(智子と吉田さんも)同じクラスになるかもよ 文系で選択科目も一緒だし」と発言している(喪120)。事実、3年次では真子・ゆり・智子・吉田さんが引き続き同じクラスになっており、少なくともこの4名に関しては文系で選択科目も同一であることがわかる。
本校が進学校なのかどうかは作中では言及されていないが、今江さんのように大学へ進学したり智子と彼女の友人たちのように大学進学を希望している在校生も少なくなく、中には麗奈のように専門学校への進学を考えている在校生も存在する。その一方で、卒業後に就職を希望している在校生については作中では描かれておらず、学校サイドが就職に向けて指導しているような描写も見られないが、智子1年次に配布された「進路希望調査」(前述)には「将来の夢・目標」という項目が記載されており、智子2年次に配布された「進路希望調査表」(喪90)には「希望する進路先を記入して下さい。」「将来の夢・希望を記入して下さい。」という項目が記載されていることから、進学のみならず就職についても考慮されていることがわかる。
本校の見学を希望する中学生は、在校生の同伴および事務で所定の手続きを行うことで見学可能となっており、学校が休みとなるゴールデンウィーク中も受け付けている。作中では智子のいとこである里崎希心が彼女と共に訪れた(喪141「学校見学」)。
詳細は校長(原幕)のページを参照。
詳細は生徒会のページを参照。
生徒会と同様に、本校の学校運営に在校生の立場から関わるポジションで、基本的に在校生は毎年4月に委員会の所属先を選択するが(喪110)、文化祭実行委員会のようにイベントに特化したものは開催前に委員を決定する(喪186(後編)4) )。荻野先生や女子生徒のボランティア委員会についての説明・会話内容によると前後期制となっている模様。委員会活動は月曜日などの放課後に行われている(喪95「月曜日の日課」・110・157)。作中で判明している委員会は以下の通り。
委員会名 | 所属人物 | 備考 |
---|---|---|
図書委員会 | 小宮山琴美(2年次) | 図書室の司書を担当(喪46ほか) |
修学旅行実行委員会 | 不明 | 修学旅行の事前アンケートを実施(喪49)・「旅のしおり」(喪71)の作成 |
文化祭実行委員会 | 岡田茜・根元陽菜(以上1・3年次)、清田良典・黒木智子・田村ゆり・和田くん(以上3年次) | クラスの出し物決め(喪186(後編)) |
ボランティア委員会 | 黒木智子(2年次) | 智子は後期(喪110)。前期選抜入学試験の手伝いを担当(後述) |
その他、いずれも委員会名は不明だが2年次のつぐちゃんと委員長男子はクラスで体育祭の競技決めを取り仕切っていたことから体育委員会に所属していると思われ(喪84「標的」「体育祭の思い出」・86)、前者(とおぼしき人物)については3年次も所属していることが窺える描写がみられる(喪154)。また、真子とゆりは2年次に同じ委員会に所属していたが(喪95「月曜日の日課」)、3年次の真子はゆりとは別の委員会へ所属している(喪157)。
喪21・115(後編)(智子の回想)・182(智子の回想)・192(前編)「先輩」(智子の回想)・224(前編)・226(後編)「変身」「おおごと」「思い」・227・229・230(前編)「覚醒」・230(中編)「風評被害」・230(後編)「気になる」・232(前編)・232(後編)・234(中編)「一番の思い出」(きーちゃんの回想)・234(後編)「濡れる!」(言及のみ)「DARE」「終わる」
作中での初登場は喪21。本校のマスコットは「マクゾー」という名前のキャラクター(象)で、小さな鼻・眠そうな目と大きな口で微笑んでいるような表情・短い尻尾が特徴。身体と耳の配色は原作がモノクロ原稿の場合は無色とスクリーントーン、カラーイラストの場合はオレンジと赤5)(単行本26巻カバー表(表紙))。テレビアニメ版がピンクとグレー6)(アニメ喪11「モテないし、文化祭に参加する」)。涌井さんからは親しみを込めた「くん」付けで呼ばれている(喪224(前編)7) )。巨大な着ぐるみも制作されており、作中では一般の来場者とふれあう場である蛍輝祭に姿を見せ、来場者に風船を渡すことが主な役目である。
着ぐるみの中身は基本的に生徒会長を除く複数の生徒会メンバー(生徒会女子など)が交代で入っており、中には高速でドラムを叩くことができるスキルの持ち主も存在している(喪224(前編))。なお、例外として今江さんが個人的な目的のためだけに入ったこと(喪21)や、メンバーが休憩するために放置していた着ぐるみを見つけた智子も入ったことがある(喪226(後編)8)「変身」「おおごと」「思い」・227)。着ぐるみは通気性が悪いからか肉体的に負担がかかるようで、生徒会女子は頭部を外した際に汗だくになっており(喪21)、智子は調子に乗って大暴れした結果、酸欠気味になりダウンしてしまい、頭部を外した後もしばらくの間ぐったりしていた(喪226(後編)「おおごと」「思い」・227)。設定上しゃべることができないのかどうかは不明だが、着ぐるみは言葉を発さない。
作中では前述の通り初期の頃から登場していたが、諸情報が明らかにされた智子3年次の蛍輝祭(喪224(前編))までは「名無しの着ぐるみ」として扱われていた。いつからマスコットとして登場しているのかは明らかにされていないが、智子3年次の蛍輝祭に原幕OGとして訪れた生徒会女子が「あっ なつかしい マクゾーだー」と発言していたことから(喪226(後編)「思い」)、少なくとも彼女が在学中の時点では名前付きのマスコットだったことがわかる。1年次の蛍輝祭にて抱きしめられたことや後にその時の中身の正体を知ったことから、マクゾーは智子にとって大変印象深い存在となっており、回想シーンにしばしば登場している。
本校の制服は以下の通り。
備考 | |
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ブレザー | 男女共通。ベージュ色で下襟の先端はピークドラベルのように尖っている。前ボタンは2個、袖ボタンはなし。ポケットは左胸1ヶ所と腰部に2ヶ所。盛夏時以外に着用 |
ワイシャツ・ブラウス | 長袖タイプと半袖タイプあり。後者は薄手(喪53「零式」)で盛夏時に着用し、吉田さん・麗奈・風夏さん(3名とも喪155など)はスカートに入れず表に出している |
ズボン(男子) | 黒色系(単行本5巻表紙)もしくは紺色系(単行本10巻表紙) |
スカート(女子) | ブレザーと同じくベージュ色で、下部に茶もしくは黒もしくは緑(単行本22巻表紙)のラインが一本入る。丈の長さは生徒によってまちまち |
ネクタイ | 学年ごとに色が異なり、3年生は赤紫(もしくは紫)・2年生は緑・1年生は赤。3年生の例は今江さん(単行本12巻表紙)・2年生の例は智子・1年生の例は智貴(以上、同10巻表紙)。盛夏時も着用 |
ベスト・カーディガン | ベストは小宮山さん(喪48ほか)・うっちー(喪82)、カーディガンは小宮山さん(喪89)、岡田さん・清田良典(喪97)、南さん(喪99ほか)などが着用 |
上履き | 白色ベースで学年ごとにつま先の色(智子は緑、智貴は赤)が異なる(単行本10巻表紙) |
体育館シューズ | 白色ベースでひも付き。サイドにはVラインが入っている。体育館へ入る際に履き替える(喪152扉絵ほか) |
上記の一覧表からもわかる通り、本校では学年ごとにネクタイなどの色が学年ごとに分かれていることが特徴である。
体操服は、白ベースで襟元と袖口にラインの入ったシャツ、パンツ(男子は膝まで・女子はショート)、ジャージ(冬季)を着用している。襟元と袖口のラインの色は白黒漫画の表現上、智子が2年生だった体育祭当時の3年生(早坂昌秀・香月圭やイケメン先輩たち)が薄いグレー・2年生(智子たち)が黒9)・1年生(智貴たち)が濃いグレーであった(喪86)。なお、色による学年の判別は旧3年生と入れ替わりで入学した新1年生(平沢雫たち)の体操服のラインが球技大会編では薄いグレーになっているという形で続けられていたものの(喪149)、同じく球技大会編では新2年生(智貴たち)の体操服のラインが新3年生(智子たち)と同じ黒に変わったため(喪153)、これ以降は3学年を体操服のラインの色のみで判別することができなくなった。
小宮山さん(単行本11巻あとがき)・つぐちゃん(喪110扉絵)・伊藤さん10) (喪117「あらためて……) ・澤村さん(喪204(後編)「それぞれの思い」ほか)・岡田さん(喪210(前編)「ダンボール」)・うっちー・宮崎さん・かよ・楓(以上、喪213(前編))・ゆり・真子(以上、喪213(後編))のように、女子生徒が「スカートの下にジャージパンツを履く」という着こなし方(文化)もみられる。
靴下は、女子生徒に関しては真子(喪99ほか)・今江さん(喪21ほか)・雫(喪132ほか)・1年次のゆり・美馬サチ(以上、喪191扉絵ほか)・モブキャラクターの女子生徒たちが着用している黒もしくは紺(単行本12巻表紙)のハイソックスが標準だと思われるが規定は特にない模様で、各自が様々な色・長さのものを着用しており、例えば根元さんは標準のハイソックスの上にルーズソックスを重ね履きしている(単行本11巻カバー表ほか)。また、ごく稀に靴下を全く着用しない麗奈(単行本16巻カバー表ほか)のような在校生も存在する。タイツもしくはストッキングを着用している女子生徒は、黒のショートソックスを重ね履きしている智子(単行本1巻カバー表ほか。盛夏時を除く)・加藤さん(喪109ほか)・かよさん(喪93)・大隣凪(喪105)・与田紗弥加(喪95「おせっかい」)・女子生徒2名(喪85)などごくわずかで、冬場においても素足と靴下の組み合わせで過ごしている女子生徒がほとんどである。
ネクタイをきちんと締めている在校生は智子・真子・今江さん(喪20ほか)・三家さん(喪42「成長」「手作り」ほか)・雫(喪132ほか)・涌井美月(喪215)などごく少数11)しかおらず首元で緩めている在校生がほとんどだが、だらーんと垂れ下げている(麗奈)・リボンのように結んでいる(杏奈)・付けない時がある(鈴木くん・成田美保)・全く付けない(吉田さん・ゆい・莉瀬)など、ネクタイの扱い方においても生徒の個性がみられる。
また、根元陽菜(喪97ほか)・和田くん(喪135ほか)・つぐちゃん(喪84ほか)は私服と思しきパーカーをブレザーの代わりに着用していることが多く、根元さんは「制服にパーカーって結構定番だけどね」と発言している(喪135)。冬服のコートにも学校指定のものはないようで、Aラインのロングコート(智子)・フライトジャケット風コート(ゆり)・ダッフルコート(真子)とそれぞれ自由に着ている。
智子3年次の蛍輝祭(準備期間中含む)では、幕張本郷と同様にクラスの出し物にちなんだお揃いのTシャツを作成・着用する在校生が多くみられるようになった(喪210(後編)「回転する時間の流れ」ほか)。
これらの描写から本校では制服の着こなしに関して比較的自由度が高いことが窺え、作中でわかる限りでは服装面に関する校則は存在しない(ただし、謹慎処分が下された者に対しては注意する場合がある(後述))。普段の自由度は高いとは言え、さすがに重要行事である卒業式(卒業証書授与式)では在校生全員にブレザーを着用させ、ネクタイをきちんと締めるように指導している模様(喪115(前編))。
現時点で明らかにされている校則は「バイク通学禁止」(喪142「芸」・157)および「自動車運転禁止」12)(喪182)。校則違反が発覚した場合、該当者は校内放送で生徒指導室まで呼び出される (喪156「二人乗り」) 。麗奈のように複数回繰り返した履歴が存在する在校生には謹慎処分が下されるが、学校サイドとしては極力謹慎者を出したくないというスタンスを取っていることもあり、初回違反者には注意のみで済ませている(喪157)。ただし、同様に初回違反者となった智子と吉田さんのケースは近隣住民13)など外部の人間からの通報かつ違反行為(バイク通学および二人乗り)の証拠写真が送付されたことにより発覚したため対外的な建前上、即謹慎処分が下されてしまった(喪157)。
※専用スケジュール表は喪158の研究ノート#謹慎中の時間割 及び 原幕の時間割 についてを、謹慎期間中の曜日についての考察は喪159の研究ノート#曜日についてをそれぞれ参照されたい。
謹慎処分者が発生したクラスは、担任よりクラス全員に経緯が報告されると同時に該当者への連絡は極力控えるように要請されるが(喪157)、プライベートの時間も含めて強制ではないことが窺え、要請を無視する者も少なくない。作中では智子には謹慎期間1日目にゆり14)・根元さん・加藤さんと3日目に前述の3名+岡田さんから、吉田さんには1日目にゆり・真子15)からそれぞれラインのメッセージを送信されている。ちなみにクラスメイト以外では小宮山さんからの報告を受けて事情を知ったゆうちゃんが1日目に、喪157にて智子を捜していた際に岡さんから事情を知らされたうっちー16)が3日目に、それぞれ智子へラインのメッセージを送信している。
謹慎処分者は、前準備として謹慎期間開始日の前日に教室から教科書を全て引き上げさせられ(喪158)、他の在校生との接触を防止する目的で意図的に時間をずらされた専用スケジュールの下、生徒指導室で一週間の謹慎期間を過ごし、最終日の面談指導終了を以て謹慎も終了となる(喪160)。専用スケジュールは8:30~17:00に計8コマ分の自習授業(各コマ間に10分の休憩、4コマと5コマの間には50分の昼食休憩が設けられている)→17:00から清掃・反省文提出→17:30に下校という流れで行われる(喪158)。また、指導内容は違反行為やその回数などといった個々人の事情に合わせて行われているふしがあり、初回違反者だった智子と吉田さんの場合では、謹慎期間中は自習授業中心で面談指導時にも特に怒られるような描写は見られなかったが、さすがに違反の常習者だった麗奈の場合は詳細は不明ながら、本人曰く「すんげー怒られた」(喪161)模様。
謹慎処分者のスマートフォンは登校時に貴重品入れへしまうよう促され、下校時まで学校預かりとなる処置が取られるが(喪158)、おそらく不正および他の在校生との連絡を防止するためだと思われる。
謹慎期間中の外出禁止については作中で言及されていないが、少なくとも吉田さんのように購買へ昼食の買い出しに行くことは許可されている模様(喪158。前述した通り、スケジュールがずらされているため他の在校生とは鉢合わせしない)。なお、昼食も生徒指導室で摂ることになる(喪158)。
普段では教師が在校生の服装面について注意しているシーンは見受けられないが、吉田さんは謹慎期間中に二度注意を受けている17)。
自習授業は1コマ50分で、監督者(コマごとに空き時間と思しき教師が担当しており、作中登場したのは光山先生(喪158・159・160)・数学教師・1年担任(以上、喪158)の3名)の下でプリントを行う→監督者が採点→続けて次のプリントを行う…という流れになるが、1コマあたりのノルマが決められているのかどうかは不明。採点は100点満点方式で、100点を取るまで同じプリントを繰り返しやらなければならないことが光山先生のセリフ(喪158)から暗示されている。智子と吉田さんは1日目に初めて行ったプリントの時点ではそれぞれ70点・60点だったが(喪158)、最終日に二人とも100点を取ることができた(喪160)。智子にとって自習授業はマイナスではなかったようで(本人曰く「授業より集中するし…」)、毎日アホみたいに自習していたおかげで特定の教科は成績が伸びたと実感していた(喪160)。
自習授業終了後から下校時間までの30分間は光山先生の下で清掃(作中での描写なし)および反省文を記入する時間に充てられ、提出した反省文を光山先生がチェック後、OKをもらうことができれば下校となる。謹慎期間1日目に何を書いていいのかわからず、たった二行で終わってしまった智子は吉田さんの内容(智子曰く「なんか無難に書いてるな…」(喪158))をパクるというとんでもない行為に及んだものの、当然ながら光山先生にバレてしまい「次からちゃんと自分の言葉で書けよ」と注意されてしまうが(喪158)、作中の描写では書き直しさせられている様子はなかったので不問になった模様。
校長は最終日の面談指導のために反省文を読んでいるので(喪160、後述)、回収された反省文は校長の元に届けられていることがわかる。
謹慎期間の最終日に行われる、校長・光山先生・担任・謹慎処分者・該当者の保護者(作中登場したのは智子母・吉田母の2名(喪160))による五者面談形式の指導。謹慎処分者は最終日の自習授業後に生徒指導室で待機し、(保護者の到着を待って)所定の時刻18)になれば校長室へ連れていかれる。指導は、反省文を読んだ校長より「謹慎期間が終了することに対する現在の心境」や「今後どうしていくか」を謹慎処分者に質問する形で進められるが、作中描写を見る限りでは指導というよりは該当者からの回答による心構えや姿勢をあらためて確認するという意味合いが強い。経験者である麗奈は杏奈から「お前ん時どうだった?」と質問された際、あんまり覚えてないと前置きしつつ「親呼ばれて校長に色々聞かれて終わったな」と答えている(喪160)。智子は前述の校長からの質問に回答後、更に突っ込んで質問されたことに対してしどろもどろになりながらも回答したが、なぜか校長は「ふむ…」と一言発したきり黙りこんでしまい、そのまま吉田さんの番になるという一幕もあった(喪160)。
喪182・喪210(後編)「事前審査」・214(中編)(以上、言及のみ)
吉田さん(喪182)・根元さん(喪210(後編)「事前審査」)・智貴(喪214(中編))のセリフから、2回目の校則違反が発覚した場合は停学になることが示唆されており、更に吉田さんは退学についても言及しているが、作中では具体例が見られないため詳細は不明。なお、吉田さんは謹慎処分を受けたにもかかわらずその後も「自動車運転禁止」の校則に違反していることから、仮に発覚した場合は重大な処分が下される可能性が高い。
喪23「雨の日の登校」「傘」・41・54・82・84「イメージ」・85・95「月曜日の日課」・98・105・単行本11巻おまけ「喪109その後…」・112・114「置きチョコ2」・144・145(扉絵)・喪157・喪158・186(後編)・234(後編)「濡れる!」
作中での初登場は喪23「雨の日の登校」。玄関前に下駄箱とすのこが何列も並べられており、下駄箱付近には傘立てが置かれている(喪23「傘」・98)。生徒は登下校時にすのこの上で靴と上履きを履き替え、扉付きの下駄箱に収納している。下駄箱は生徒一人ひとりに割り当てられているロッカータイプのもので、扉の名札部分には生徒の名字が記載されており(喪114「置きチョコ2」)、内側は2足分の靴プラス小物程度なら収容可能なスペースを有している(喪112)。智子2年次のバレンタインデーの友チョコイベントでは、智子とうっちーが下駄箱を介してチョコ(手紙付き)のやりとりを行っていたこともある(喪112・114「置きチョコ2」)。
場所柄、在校生が登校時にあいさつを交わす光景が頻繁にみられるが、智子にとっても2年次初期の時点では数少ない話し相手のひとりだった根元さんとあいさつを交わす貴重な場となっており(喪54)、修学旅行以降はゆり(喪82)や真子(喪95「月曜日の日課」)からもあいさつされるようになった。また、カップルの男子生徒があいさつ代わりに女子生徒の頭を触る様子を目撃したこともある(喪85)。
作中での初登場は喪41。階段の裏側にあるスペースで、モップやバケツなどの掃除用具置き場として活用されている。智子は校内を探検中に偶然ここを発見し、休み時間に横になってゲームしながら過ごしたりパーテーションを設置すれば変なこと19)をしていてもバレないと妄想していたが、実行には移さなかった。智子は3年次にもここを訪れているが、この時は特に反応することなくスルーしている(喪185)。
喪50・192(後編)「ブラック」「怖がらないといけない」20)・206・特別編1821)・特別編1922)・単行本15巻表紙 表・単行本21巻中表紙(中扉)
各教室の屋外側に設置されており、屋外側のドア(単行本21巻中表紙)から出入りするスペース。生徒たちがおしゃべりをする時にここを利用しているシーンが度々描かれている。
喪7「回避」「保健室」・19・20・23「忘れ物」(言及のみ)・42「成長」「シルエット」「一喜一憂」「手持ちぶさた」・48(言及のみ)・51(言及のみ)・110・201(後編)・224(後編)(言及のみ)・234(後編)「終わる」
作中での初登場は喪7「回避」。診察スペース(喪7「回避」)とカーテンで仕切られているベッドスペースが描かれており、後者には少なくとも3名分のベッドが用意されている(喪201(後編))。
白衣を着用した女性の保健医23)1名が常駐しており(喪7「回避」・19)、在校生からは他の教職員と同様に「先生」と呼ばれている。授業のサボり目的で来室した智子に「あら大丈夫? ベッド使う?」と声を掛ける(喪7「回避」)・保健室から去ろうとする智子に「気をつけて帰りなさい」と声を掛ける(喪19)といった描写から優しい性格の人物であることが窺えるが、「ノートパソコンのディスプレイに在校生の個人情報(智子1年次の女子生徒の身体測定結果)を表示させたまま保健室から出てしまう」という当時24)としても第三者から迂闊だとみなされても仕方がないような行為をしたことがある(喪42「一喜一憂」)。また、前述の人物と同一人物であるかどうかは不明ではあるものの、左ひざに違和感を感じたと申告した紗弥加を「左ふくらはぎヒラメ筋損傷」と診断しており(喪224(後編))、診察に関して高いスキルを有していることがわかる。
智子がぼっちだった1年次・2年次(初期)の頃は、主に授業をサボる口実として体調不良(仮病)を訴えて利用することが多かったが(喪7「回避」「保健室」・42「成長」)、体育の授業中に貧血を起こして倒れてしまう(喪19)・蛍輝祭の準備中にカッターで左手を切ってしまう(喪20)など、本当に救護を要する状況でお世話になることも少なくなかった(保健室の描写はなかったが、智子が2年次の体育の授業中に右手を捻挫した際も手当てしてもらった模様(喪56) ).。時には仮病で一度訪れた後に三家さんの料理を食したことでガチの体調不良になってしまい、結果的に一日の大半を保健室で過ごすはめになってしまったこともあった(喪42「手持ちぶさた」)。
智子に友人ができたことがきっかけで彼女を取り巻く状況や学校生活が大きく変わったこともあり、心の拠り所でもあった保健室に足を運ぶ行為は次第にみられなくなっていったが、3年次では蛍輝祭の出し物である映画のアイデアを考えるという目的25) で授業をサボった際に利用していた(喪201(後編))。
智子以外では、氏名・学年不詳の男子生徒(喪7「保健室」・42「シルエット」)・雫(喪110。詳細は後述)・智子に同伴したゆり・授業をサボって寝るために来た吉田さん(以上、喪201(後編))も保健室を利用したことがある。
作中での初登場は喪9。多数のデッサン用石膏像やイーゼルが置かれている。美術の授業に使用されるほか、美術部の部室でもあり(喪9)、男子部員がデッサンを行っていた(喪50)。智子が初芝くんとともに放課後に授業の居残り課題(お互いの顔をモチーフにして絵を描く)を行った場所。
喪9・40・82(言及のみ) ・117「一緒」(言及のみ) ・163「閉じこめられる」(言及のみ)
作中での初登場は喪9。登場シーンはごくわずかで、いずれも智子が福浦先生(喪9)や荻野先生(喪40)から呼び出された時のみ。2年次終盤の時期に訪れた岡田さんに3年次のクラス表をチラ見されてしまったこともあった(喪117「一緒」)。在校生呼び出しの描写が見られなくなってからは、登場人物の会話の中で言及されるという形で登場することが多くなっている。
作中での初登場は喪10。1年10組(智子1年次)の理科の授業で何らかの実験が行われた時は、スクリーントーンがかかったショートカットの女子生徒が顕微鏡を覗いており、彼女とグループを組んでいるとおぼしき数名の在校生がその様子を眺めている描写が見られた。
喪12・46・47・48・50・70・84「BBQ」・89・99(言及のみ)・101・109・160(言及のみ)・185
作中での初登場は喪12。司書は図書委員が務めている。本棚や長机と一人掛けの椅子(6人席)が多数設置されているほか、入荷した新刊を展示する「今月の新刊」(喪46・89)や図書委員がチョイスしたおすすめの本を展示する「図書委員オススメ」(喪48)→「今月のオススメ!」(喪109)→「今月のオススメ」(喪185)という専用のコーナーが設けられており、これらには一般書籍や小説の他にアニメ雑誌の『ア●メージュ』(喪89)や『ロッテマリーンズあるある2』(喪89)といった当時の図書委員の嗜好を反映するものまであり、ラインナップが豊富なことがわかる。また、在校生側からもリクエスト用紙を用いて希望の本をリクエストすることが可能(喪89)。本を借りる場合は図書カードが必要で、一度借りられるのは1名に付き計3冊までという規則があるため(喪48)、ひとりが複数のカードを用いて3冊以上を借りることは認められず、カードの持ち主が直接来室しなければならない(喪48では初芝くんが部活動の先輩と自身のカードを用いて計6冊借りようとしていた26) )。常時解放されており在校生は自由に使用することができるが、自習時に充当される場合がある(喪109)。
2年次の智子が図書委員だった小宮山さんと再会した場所(喪46)でもあり、再会後しばらくは二人のコミュニケーションの場となっていた。小宮山さんが智貴に関心を抱いていることを察した智子がきょうだいの親密ぶりを見せつけようとするためだけに智貴の弁当を盗み、彼をわざわざ呼び出したこともある(喪48)。
保健室同様、智子が足を運ぶ様子は次第にみられなくなっていったが、3年次に久しぶりに訪れて『ラムネなか』27)というタイトルの小説を読んでおり、その後借りている(喪185)。
眼鏡を掛けた短髪黒髪男子やゆいさんが主な常連(喪12・185)。3年次の小宮山さんは受付ではなく通常の席で本を読んでいた(喪185)ことから図書委員ではなくなったと思われるが、引き続き利用している。その他、井口朱里もファッション雑誌を読んでいたり(喪185)、真子が勉強する場として活用している(喪160。描写なし)。
喪49(コンピュータ室)・201(後編)・202(前編)(以上、PC室)
室名は異なる(両話の間に室名変更された可能性あり)が描写が同一であるため、便宜上一括して記載する。デスクトップパソコンとモニターが並べられた複数の長机と一人掛けの椅子が設置されており、在校生はパソコンを自由に利用することができる(利用規則に関しては言及なし)。作中では、智子と別のクラスの女子生徒3名が修学旅行の行先について検索するため28)(喪49)・智子が蛍輝祭の出し物である映画の脚本を作成するため(喪202(前編))にそれぞれ利用している。
喪50・232(前編)
作中で初登場したのは喪50。放課後に今江さんがひとりでベランダに佇み、夕暮れを眺めながら黄昏ていた。生徒会の活動拠点で、室内には本棚と大きなテーブルと背もたれにカバーが掛けられている一人掛けの椅子が三脚分設置されており、ティーセットも用意されている(喪232(前編))。
作中で初登場したのは喪50。放課後の教室でひとりになりたかった智子が訪れたが、ドアが施錠されており入室できなかったため室内の詳細は不明。
作中で初登場したのは喪112。バレンタインデー当日の放課後に、真子へお返しするためにチョコを作りたくなったゆり・ゆりに同行し、自分もチョコを作ることになった智子・朱里に誘われる形で智貴に渡すチョコを彼女と一緒に作ることになった小宮山さんが利用しており(喪112・113)、バレンタインデー前日の放課後には真子が「クラスの人29)」(ゆり談)と一緒にチョコを作るために利用した(喪112)。その他、ゆりのセリフから多数の女子生徒が利用した模様(喪112)。調理部の活動拠点だと思われるが、作中ではその様子は描かれていない。
作中で初登場したのは喪146。1人席(仕切り付きの半個室スペース)と4人席・6人席(仕切りなしのオープンスペース)と本が収納されている棚が設置されている。通り雨がやむまでの時間潰しに利用しようという加藤さんの提案で智子・ゆり・真子が訪れた際は中間テスト直前で混雑していたのか1人席しか空いておらず、途中休憩後に空いた4人席へ移っていた。なお、智子は授業以外で自習室を利用するのはこの時が初めてだった模様(喪146)。利用可能な時間に関しては言及されていないが、「特別」な理由(具体的な内容は不明)により早じまいする場合がある(喪188)。
前述した4名以外の主な利用者はうっちー・かよさん・眼鏡監督(以上、喪146)・夏帆さん・風夏さん・美保さん(以上、喪15530))・南さん・サチ・ノリ(以上、喪188)。
作中での事実上の初登場回は喪158。諸説明時や自習授業時に使用される折りたたみ式の長机2台とパイプ椅子3脚のほか、ホワイトボードや本棚が設置されている。謹慎処分を下された在校生はこちらで謹慎についての説明を受けた後、謹慎期間中は丸一日過ごすことになる。作中で描かれたのはバイク登校および二人乗りのかどで謹慎処分を下されるはめになってしまった智子と吉田さん。謹慎についての詳細は上記「謹慎」の項目を参照のこと。
作中で初登場したのは喪160。3人掛けのソファ2脚と小テーブルが置かれており、壁には額縁に入った歴代校長(現職含む)の写真が掲げられている。謹慎期間最終日にはこちらで面談方式の指導が行われる。内容の詳細は上記「面談指導」の項目を参照のこと。
作中での事実上の初登場回は喪211。授業(描写なし)で用いられる以外には、蛍輝祭の出し物が映像作品だった場合に光山先生とクラス担任によって内容に問題がないかどうかをチェックするための用途としても利用されている。壁面に付いている大きなモニターや、コンピュータ室/PC室と同様、デスクトップパソコンとモニターが並べられた複数の長机と一人掛けの椅子が設置されている。
喪234(後編)「終わる」
作中で初登場したのは喪234(後編)「終わる」。放送スペースにはマイクスタンドとスイッチ類が一体化されたユニットと椅子が設置されており、作中では涌井さんがそこから蛍輝祭の終了を告げるアナウンスを行い、その隣では女子生徒(詳細不明)がスイッチを操作していた。放送スペースの背後にはテーブルと複数の椅子が設置されている。また、窓が設置されていると思われる箇所には暗幕らしきものも確認できる。
喪2・6・9・10・11・12・19ほか(いずれも外観のみ)
フェンスに覆われた屋上が存在していること自体は外観から確認できるが、何らかの理由で出入口の扉が施錠されているため、屋上の様子が描かれたことは一度もない。智子はお昼休みの弁当スポットとして屋上へ向かおうとしていたが、前述の状況だったため利用を断念している(喪19)。
喪19・185・192(前編)(扉絵)・234(前編)「イタみ」・単行本20巻中表紙
施設ではないが、便宜上記載する。階段を上った先の屋上出入口前スペースに多数の机と椅子が積み上げられており、前述通り屋上出入口の扉が施錠されていることから事実上机と椅子の保管場所として活用されている(喪19)。トイレに行っている間に自分の椅子をクラスメイトに使われてしまった智子が屋上の代わりとなるお昼休みの弁当スポットとして発見し、弁当を食べたり携帯ゲーム機で遊んだりと自分だけの席として勝手に利用していた。人がそうそう来ない場所なので智子にとって本当に落ち着くらしく(喪19)、教室ではなくここが自分の居場所だと思うほど気に入っていたが、その日の放課後に在校生によって机と椅子が運び出されてしまい、翌日智子が訪れた時は出入口の前がすっからかんになっていた(喪19)。
自らの状況の変化に伴って心の拠り所に依存することが少なくなったことと、前述の一件が影響したのか智子はそれ以降足を運ばなくなり、3年次にここの前を通った時は机と椅子が積まれていたが、何やら考えた後にスルーしている(喪185)。ただ、完全に決別したわけではないようで、人が来なくて落ち着くという利点を活かして映画脚本のアイデア探し・執筆場所として再び利用するようになった(喪192(前編)扉絵・単行本20巻中表紙)。蛍輝祭開幕前までは智子のみが訪れる場所だったが(前述の在校生を除く)、蛍輝祭2日目には根元さん・ゆりもここを訪れており(喪234(前編)「イタみ」)、智子に連れて来られたものと思われる。
喪45・53「零式」・67・68「名前」「返事」・111・単行本15巻おまけ「喪145その後」・185・190・191・192(後編)「見える景色」・199(中編)「小陽の誕生日」・200(前編)(扉絵)・213(前編)・213(中編)・234(前編)(扉絵)
施設ではないが、便宜上記載する。校舎の片隅にちょうど人が座れるベンチのような窪んだ箇所があり、2年次初期の智子はそこに座って弁当を食べていた(喪45)。智子と鉢合わせした時の「人いてびびったわ」という男子生徒のセリフ(喪45)から、普段は人がほとんど通らないことが窺えるが、二木さんのように「近道」という理由でここの前を通る在校生もいる(喪190)。場所が気に入ったからか、智子はその後もここで弁当を食べたり(喪53「零式」)携帯ゲーム機で遊んだり(喪67・68「名前」「返事」)と度々利用するようになるが、友人ができてからは心の拠り所として必要がなくなったのか次第に訪れなくなり、3年次にここを通った時もスルーしている(喪185)。
智貴も1年次に偶然ここで姉と出会ったこと(喪45)で存在を知り、「こんな場所あんだな…」とつぶやいている。姉との出会いがきっかけとなり、それ以後はひとりになりたい時に足を運ぶようになった。2年次ではここへ向かうことが暗示されている描写(喪156「噂」)もみられ、「落ちつくな… ここ……」と感じるほど気に入った模様(単行本15巻おまけ「喪145その後」)。お昼休みにサチの後からやってきて隣に座った時は、たまにひとりになりたい時にここで弁当を食べていることを彼女に話している(喪192(後編)「見える景色」)。智貴は逢引の場として使用されることは好まないのか、蛍輝祭2日目に先客のカップルが座っていた際には睨みつけているような描写がみられる(喪234(前編)扉絵)。
3年次のサチもノリ・マキと仲違いして孤立した後に「ひとりになれる場所」(喪191)を探すうち、ここを見つけて利用するようになったが(喪190・191・192(後編))、智子2年次の頃より状況が変わったようで、近道を通った際にサチと鉢合わせした二木さん(喪190)・二木さんから話を聞いてやってきた南さん(喪191)・2年生の男子生徒(喪191)・ひとりで弁当を食べるために後からやってきた智貴(喪192(後編)「見える景色」)など複数の在校生と顔を合わせており、「ここ意外と色んなの来るんだよね」と南さんに話している(喪191)。また、南さんもサチに会いに行ってからは二人きりで会う場所になり、「いつもの場所」で通じるくらい認知している。サチは彼女の誕生日にここでささやかな誕生日祝いを行ったこともある(喪199(中編)「小陽の誕生日」)。
喪19・20・21・25・37・39(言及のみ)・46(扉絵のみ)・56・57・87・110(言及のみ)・115(前編)・115(後編)・137・149・150・151・152・154・187・190・191(言及のみ)・192(後編)「見える景色」・213(後編)・特別編2131)・215・216(前編)・216(後編)・特別編1732)・217(前編)
作中で初登場したのは喪19。正面の出入口前階段では吉田さん・杏奈・麗奈が昼食を摂っていたり(喪192(後編)「見える景色」)、3年次の蛍輝祭1日目に智子・ゆり・根元さんが会話していた(喪217(前編))など、交流の場として利用される場合がある。また、別の出入口からは校舎側と屋根付きの通路で繋がっている(喪152・224(前編))。出入口の階段からは2階にも行けるようになっているようで(喪191)、筋力トレーニング用のベンチプレスや腹筋台などが置かれている。柵が設置されている両サイドには座りながら足を伸ばせるくらいのスペースがあり、雌猫の間グループメンバー5名が昼食時に利用したこともある(喪152扉絵)。2階は空手と日拳同好会が放課後に利用しているが、彼らの許可を得ることで同好会員以外の在校生(作中では二木さん)も利用可能となる(喪187・190)。館内には体育館倉庫も設置されている(詳細は当該項目を参照)。主な用途は以下の通り。
用途 | 登場回 | 備考 |
---|---|---|
授業(体育) | 喪19・25・56・187 | 描写は女子のみ |
部活動 | 喪149 | 男子バスケットボール部・卓球部33) |
全校集会 | 喪137 | ゴールデンウィーク前 |
始業式 | 喪39 | 言及のみ |
終業式 | 喪57 | 夏休み前 |
卒業式 | 喪37・115 | 智子1年次(喪37)・智子2年次(喪115) |
蛍輝祭 | 喪20・21・213(後編) | 智子1年次(喪20・21)・智子3年次(喪213(後編))。出し物での利用については当該項目を参照 |
体育祭 | 喪87 | 応援合戦(白組チアリーディング)の練習時のみ |
球技大会 | 喪149・150・151・152・154 | 智子3年次。作中で描かれた種目は女子卓球 |
後期ボランティア委員会 | 喪110 | 言及のみ。活動内容(前期選抜入学試験手伝い)の説明会場 |
喪163「閉じこめられる」「モテないし夏」(後者は言及のみ)
作中で初登場したのは喪163「閉じこめられる」。荻野先生は「体育倉庫」と発言しているが、鍵のキーホルダー名札には「体育館倉庫」と記載されており、同話最後のコマから体育館の館内にあることがわかる。倉庫内には体育の授業などで使用されるマット・跳び箱・バレーボールとそのカゴが置かれており、人気【ひとけ】のない場所という特徴からカップル(「玄関昇降口」の項目を参照)が二人きりで過ごす目的で侵入したこともある(喪163「閉じこめられる」)。
荻野先生より「お昼休み中に扉を施錠し、その後職員室へ鍵を戻す」というお使いミッションを命じられた根元さんに「人生で一度は学校で人気【ひとけ】のない部屋に閉じこめられる」という体験をしたかった智子が同行し、15分くらいで開けてもらう約束をして倉庫内に入ったが予定の時間を過ぎてもなぜか扉は開けられず、体験どころかガチで閉じこめられるはめになってしまった34)。
作中で初登場したのは喪91。在校生はもっぱら「学食」と呼んでおり、出入口付近と思われる場所に掲げられている案内看板にも「学食」と記載されている(喪97)。本校の学生食堂は食券制(喪97)で、券売機(作中で確認できる限りでは2台設置。喪133)にて食券を事前購入後、受取口で食券と引き換えに各自で運ぶセルフサービス式となっている。また、前述した案内看板の下にはおすすめメニュー(後述)が記載された黒板が置かれている(喪97・133)。学生食堂自体は数十人の在校生が描かれるほどのスペースがあり、3人用・5人用テーブルのほかにベンチ(喪91)・給水機(喪133)も設置されている。また、智子のように家から持参した弁当を食すために利用する在校生も存在する(喪91)。
メニューは以下の通り(作中判明分のみ)。
メニュー名 | 価格 | 備考(登場回など) |
---|---|---|
ステーキ丼 | 500円 | 券売機に表記(喪133) |
日替り | 400円 | 内容不明35)・券売機に表記(喪133) |
原幕ラーメン | 300円 | おすすめメニュー(喪97) |
きつねうどん | 260円 | 券売機に表記・智子と岡田さんが注文(喪133) |
かけうどん | 200円 | 券売機に表記(喪133)・朱里(喪91)と智子(喪97)が注文 |
幕カレー36) | 不明 | おすすめメニュー(喪133) |
カツカレー(大盛り) | 券売機に表記(喪133) | |
ドリア | 券売機に表記・根元さんが注文(喪133) | |
ミートソース | 券売機に表記(喪133)・ゆりが注文(喪134) | |
魚フライ定食 | 便宜上呼称。白飯・味噌汁付き。小宮山さんが注文(喪133) | |
パスタ | 種類は不明。真子(喪133)・夏帆さん(喪157)が注文 |
その他、伊藤さん・吉田さんがカレー(喪133。上記の幕カレーと同一なのかは不明)を、加藤さんがティーカップの飲み物(喪157。内容は不明)を注文している。
喪158(言及のみ)
言及のみで描写がないため詳細は不明(個別に存在せず、学生食堂と一体になっている可能性もある)だが、便宜上記載する。作中では吉田さんが女性店員(吉田さん曰く「おばちゃん」)から昼食用の焼きそばパンなどを購入しており、「先に売ってくれたわ」という吉田さんのセリフから、普段はお昼休みから営業していることがわかる。
本校にプールが存在していることは喪46の扉絵で確認できるものの、本編では授業シーンが描かれたことが一度もなく、登場人物の会話などで触れられることもない状況が長らくの間続いていたが、3年次の智子とゆりの会話でわずかながら存在について言及されており、水泳部も存在していることが判明した(喪183(後編))。テレビアニメ版については「補足」の項目を参照。
作中での初登場は喪82。校内や渡り廊下に複数設置されているが、一括してこちらで記載する。前者・後者共に清涼飲料水の自動販売機が3台設置されており、前者では紙パックのものが販売されている(喪82)。前者ではうっちー・宮崎さん・凪さん・かよさんの4名が、後者では智子・ゆり・吉田さんの3名が自販機の前でおしゃべりしていたことがある(喪82・192(後編)「なんでもいい」)。
喪95「判明」・ 133・ 136・ 特別編837)・184(前編)扉絵・184(後編)扉絵・192(前編)「先輩」・194・199(前編)扉絵・202(前編)・202(後編)
一本の木を囲むように設置されたドーナツ型の木製ベンチで、作中では木に添え木が施されているタイプ(喪95「判明」など)と添え木がないタイプ(喪194など)がみられることから、複数台設置されているものと思われる。吉田さん・杏奈・麗奈がおしゃべりしていたり(喪95「判明」)、真子・南さん・サチがお昼休みに利用している(喪194)。3年次の智子もお昼休みに雫とここで待ち合わせて、一緒に弁当を食べている(喪192(前編)「先輩」・202(前編))。ちなみに雫は智子と待ち合わせた回数を覚えており、彼女が「もう7回目ですね」と発言した際に智子が驚く一幕もあった(喪202(前編)「先輩」)。また、蛍輝祭の出し物である3年5組映画(黒木組)のロケ地のひとつで、読書している雫(平沢しずえ役)に加藤さん(加藤智香役)が声をかけるシーンが撮影された(喪202(後編))。
喪125・126・127・128・129・130(上)・130(下)・131
作中で実施時期は明言されていないが、智子3年次には4月に行われたこと(喪13538))、智子1年次にも一学期に行われたことが確認できること(喪49)から、便宜上一学期の行事として記載する。智子3年次の行先はネズミーランド(喪123)。
現地集合・解散で制服着用。担任による開始前点呼が行われた後は、各自自由に行動することができる。終了点呼も同様に担任によって午後4時に行われるが(喪128)、生徒が集合時間に間に合わない・点呼を受けなかった場合にペナルティが発生するのかは不明。3年5組の終了点呼では真子・南さん・吉田さんの3名が集合場所に現れなかったが、荻野先生は3名を「大丈夫でしょう」という理由(ただしその結論に至る経緯や根拠は明らかにされていない)で、不問にしたようである39)(130(上))。
智子達3年次に根元さんの「最後の遠足だし」というセリフがあり(喪125)、1年次にも行われたことは確認できるので、毎年次に実施されているようにも窺えるが、智子達の1年次には近接する時期に2年生が修学旅行で出かけており(修学旅行参照)、2年次にも行われるかどうかは不明。なお、1年次の智子は仮病を使って参加していない(喪49・単行本2巻カバー裏)。
隔年行事で体育祭の行われない年(蛍輝祭の開かれる年)に2日間にわたって開催され、作中では智子1・3年次の年度が該当する。開催学期は一定か不明であるが、智子3年次には一学期に行われているので便宜上一学期の行事として記載する。「クラスマッチ」とも呼ばれ、クラス単位で学年に関わりなく対戦し、大会方式もノックアウト制で初日に敗れたクラスは二日目にすることがない。
智子3年次の競技種目は男子がサッカーとバスケットボール(共に試合時間不明)、女子がソフトボール(5イニング制)と卓球(5人一組の団体戦)で、詳細は不明ながら各種目の1位から4位を評価対象として全種目での総合戦績を割り出し、上位3クラスを表彰する(喪154)。ところで卓球の場合、初日に2回戦まで行われてベスト16が決まり、二日目に決勝まで(決勝は6回戦目)が行われるが(喪152)、他競技も同様だとすると二日目には3位決定戦を入れて16試合、仮にクラス数が最少の全学33クラスだとしても初日に17試合を消化しなければならず40)、フィールド球技、特に試合時間の定まっていないソフトだと同時並行でないと消化しきれないはずなのでかなりきつい運営スケジュールが要される。もっともそこから、原幕がフィールド球技の複数同時開催を可能とする広大なグラウンドを有す高校であることが判明する。
なお、智子1年次は女子がサッカーとバスケでの対戦だった(喪150)ので、男子は不明であるがソフトと卓球団体戦であり、この2種目一組を開催ごとに男女で入れ替えている可能性がある。また、在校生はいずれかの種目への参加が必須とされ、種目の掛け持ちは許可されているが(喪149)、智子3年次の場合、3年5組女子はほぼ同時に卓球とソフトの1回戦を行っているので現実的には不可能であり(喪150)、そうした掛け持ち不能なクラスを想定した運営であるとすると、当該年度の各クラスは最低でも男子16人(11+5人)、女子14人(9+5人)はいることとなる。
智子3年次の総合1・2・3位は3年6組・2年7組・3年5組だった(喪154)。
生徒会主催のイベントで、智子2年次の生徒会長である今江さん41)が「イベントがあれば学校を楽しく思ってくれる在校生が増えるかもしれない」という理由で発案し、涌井さんも関与している(喪232(前編))。
中庭に笹が飾られる7月7日(七夕当日)までの数日間、生徒は用意された短冊に願いごとを書いて笹に飾ることができる。智子2年次に初開催された時は回数表記がなかったが(喪55)、翌年の開催時は「第2回」と表記されており(喪162)、毎年恒例のイベントとなったことが窺える。終了後は生徒会メンバーによって笹が撤去され、撤去された笹は神社で御焚上してもらう模様(喪162)。
短冊への記名は必須ではないようで、名前のみ記入したり匿名にする者も少なくない(喪55・162)。願いごとの内容に関しては各自に一任されており、生徒会サイドからの表現規制らしきものは特にない。例を挙げると「将来の夢」(根元さん・智子3年次など)、「高校卒業後の目標」(ゆり3年次など)、「日々の願望」(清田くん・岡田さん3年次など)や「想い人への一途な願い」(小宮山さん2年次)、「他者も含めた願い」(今江さん・加藤さん3年次など)、「彼氏もしくは彼女が欲しい」(岸楓42)・金森洋助など)といったものや、「まるで某海賊の口癖を連想させるようなネタ43)」(匿名2年次)、「下ネタもしくはそう捉えられかねないもの」(智子2年次(一通目)・佐々木風夏3年次)、「他者からすれば全く意味不明なもの」(うっちー44)3年次)なものまであり、各自の個性が強く反映されている。
夏休み期間中に全国高校野球選手権千葉大会45)へ出場する野球部を応援するイベントで「来年は絶対いかん!」(喪59)という智子のセリフから、毎年行われていることがわかる。清田くんのセリフからベスト16以降は全校生徒での応援になることが示唆されており(喪56)、吹奏楽部では二回戦までは1・2年生のみ参加する決まりになっている(喪164)。
智子2年次では、実施日前日にメール・携帯電話46)による電話連絡網方式(喪58)で連絡が行われ、生徒は制服着用で9時30分に学校へ集合し、クラスごとに分乗した貸切バスで球場へ向かっていた。智子はもちろん乗り気ではなく、妄想で野球部にさんざん悪態をつきながら暴言を吐いていたがバチが当たったのか前日に夜更かししていた(喪58)上に真夏の球場で何度も往復していたためか試合終了後に軽い熱中症でダウンしてしまい、智子を発見した野球部部員によって運ばれた後に野球部OBの運転するバンで野球部マネージャー3名とともに送られ、ツインテールのマネージャーから介抱されるハメになってしまった(喪59)。なお、試合の結果は13回までの延長の末、北高に10-9で敗れている(何回戦目かは言及されていないが、前述したベスト16の可能性がある)。智子は翌年こそは例え欠席扱いになったとしても行かないつもりでいたが野球部の世話になった手前、行かざるを得なくなってしまった。
智子3年次では、弱小校だった原幕が2年前に入学した投手のおかげでベスト8(準々決勝)にまで進出したことが小宮山さんより説明されている(喪166)。準々決勝はZQZQマリンスタジアム47)で試合が行われ、応援する生徒は現地集合・解散となった。準々決勝の相手は県内では如月高校に次ぐ強豪校である長志野高校で、チバテレによるテレビ中継も行われている(喪166)。試合は吹奏楽部(伊藤さん)・チアリーディング(風夏さん・美保さん)・在校生による応援もむなしく、3-0の完封負けを喫してしまい、原幕野球部の夏は終わりを告げた。
ゆり・真子・岡田さん・加藤さん48)とともにマリン入りした智子は、現地で一緒になった小宮山さんの「解説じみたセリフ口調の独り言」の多さに辟易しながらも試合はきちんと観ており、途中で昨年お世話になったツインテのマネージャーがベンチでスコアブックを付けていることに気付く。試合終了後、顔を覆いながら泣いているマネージャーの姿を目にした智子は、さっさと負けろとしか思わなかった昨年とは明らかに異なる気持ちを抱いていた(喪166)。
詳細は蛍輝祭のページを参照。
喪71・72・73・74・75・76・77・単行本8巻おまけ・78・79・80・81
2年次の行事で智子の時の日程は3泊4日。まず一学期中に修学旅行委員会が行先についての事前アンケートを複数回行い、その結果で行先が決定される(喪49)。智子達の年次で挙げられた行先の候補は(1)北海道、(2)新潟(スキー)、(3)京都・奈良、(4)熊本・長崎・福岡、(5)沖縄の5ヶ所で、智子が流しっぱなしにしていた動画がきっかけとなったのか、最終的に43パーセントの票を獲得して一位になった(3)京都・奈良に決定された49)。なお、もしも(2)の新潟に決まっていれば旅行時期は三学期にずれ込んだだろうし、前年度(今江さん2年次)は一学期の衣替えの頃に(喪7「想像したくない」)50)沖縄へ行っている(喪98)ので、必ずしも2学期に固定された行事ではなさそうである。
修学旅行前の事前準備としてクラスごとに4人一組の班を決め、そのうち1名が班長になる。メンバー全員で修学旅行中の行動を計画後に「行動計画表」に記入し提出することになっているようだが、作中では班長の智子がひとりで行うはめになった(喪70)。修学旅行中は基本的に班別行動・同部屋で宿泊するが、3日目のみ班を問わない任意のグループでの自由行動となり、宿泊場所も変わる(作中ではツインベッドの二人部屋があるホテルだった)。
集合・解散場所はJR東京駅(JR東海51))の「団体集合場所(学生用)」で、東京駅~京都駅間の1日目の移動は東海道新幹線の「のぞみ」号(原幕修学旅行委員会作成「旅のしおり」の旅程表より)を利用しているが、4日目の帰路についても新幹線の描写から、1日目と同様に「のぞみ」号を利用しているものと思われる(喪80)。JR京都駅~奈良(奈良公園・東大寺・法隆寺)~宿泊場所は観光バスで移動していた(「旅のしおり」の旅程表より)。
服装は2・3日目のみ私服着用。館内着は「旅のしおり」によると「学校指定のジャージなど動きやすいもの」とあるが、律儀にジャージを用意してきたのは智子ひとりだけだった。
2日目夜、夜間外出禁止の決まりを破ってコンビニへ買い出しに出ようとした智子・ゆり・吉田さんが荻野先生に見つかってしまった時は彼女が同伴するという条件付きで許可されたことにより事実上不問となったが、女風呂を覗こうとしていた2年3組の男子生徒が正座させられた(描写なし。クラス不明の男子生徒が言及)ように、決まりを破った者には厳しいペナルティが課せられることが窺える。
当初、智子は修学旅行について「行きたくない」(喪49)・「地獄を味わうのは修学旅行の班決めだけにしたい……」(喪67)などのネガティヴな発言を度々行っており、参加には全く乗り気ではなかったが、荻野先生からクラスのぼっち・余りもの同士で集められた修学旅行4班の班長に任命され、4班メンバーであるゆり・吉田さんやゆりの友人である真子と出会ったことにより、智子自身の心境や高校生活が徐々に変わっていくターニングポイントとなった。また、もうひとりの4班メンバーだったうっちーが智子の存在を意識し始めたのも、修学旅行での出来事がきっかけである。
蛍輝祭のページで触れている通り、体育祭も蛍輝祭と交互(隔年ごと)に開催されることが特徴で、作中では智子2年次の年度が該当する。こちらは蛍輝祭と異なり、特に正式名称らしきものはない。主管は「体育祭運営本部」でグラウンドにテントが設置されている(喪88)。運営委員は前と後ろに番号の入ったビブスを着用しており、在校生への指示・誘導や不審者(作中では智貴を盗撮していた小宮山さん)への対応に従事している。作中に登場した運営委員は、本部のテント前にいた黒髪の女子生徒(11番)・小宮山さんに声掛けした脇本くん(01番)・女子騎馬戦で指示を出していた明るい色でおさげ髪の女子生徒(17番)・智子に急いで1年生と騎馬を組むよう促した明るい色のロングヘアの女子生徒(22番)の4名。
在校生は白組・赤組に分けられるが、分け方についてはクラス単位の場合とクラス内でも分けられる場合があり、理由は不明だが分割基準が不明瞭な状況が見られる。当日は8:30より開会式が行われ、校長挨拶・生徒会長挨拶など(作中未描写)がある。両組代表(智子2年次では早坂昌秀・香月圭)による選手宣誓から始まり、午前の部と昼食を挟んだ午後の部に分けて開催される。
各クラスごとに一週間前のHRにて各自が参加する競技を決めることになっており(喪86)、個人競技(50m走・100m走・障害物走・借り物競争・パン食い競争・男女混合二人三脚など)と団体競技(1・2年合同の女子騎馬戦など)に大別されるが、つぐちゃんからの説明(喪84「標的」)から前者は希望する1~2種目、後者は在校生全員が参加しなければならないことがわかる。その他、作中では智貴が参加した部活動単位で行われる部活対抗仮装レース・紅白応援団長応援(赤組)・チアリーディング(白組)による応援合戦や大玉転がしなどが描写され、智子が見ていたプログラムにはラジオ体操・有志催し物などの演目が記載されていた。
作中では、最終結果が210点だった赤組(井口朱里・与田紗弥加など)が195点だった白組(2年4組・3年4組52)など)に勝利した。
智子2年次の11月に実施。事前53)に担任より配布される「進路希望調査表」(前述)へ希望する進路先・大学および専門学校を希望する場合は希望する学部・将来の夢や希望を記入し提出することになっており、面談日にそれを元にしながら担任・生徒・保護者の三者で行われるが、作中では加藤さんと加藤母の後に智子と智子母の様子が描写されていたことから、名簿順で行われるものと思われる。
荻野先生は智子たちにとあるクラスメイトが声優志望であるという具体的な例を挙げてアドバイスしていた54)。三者面談では進路のほか、保護者に生徒の生活態度についても伝える場となっており、智子の場合は2年次の修学旅行までぼっちだったことをばらされてしまったため(ただし修学旅行で仲の良い友人(ゆり・吉田さん)ができたというフォローは入れている)、母親からは将来の進路よりも現在について心配されてしまうはめになった。
冬休み前最後の行事。その名の通り、全校生徒が土手沿いのコース(男子:10km、女子:5km)をマラソンで走るというもので、1年生から順番にスタートする。ゴールまでの規定タイムに関しては言及されていないが、途中棄権(リタイア)は認められている。折り返し地点では到達証明用(不正防止)と思われるプレートらしきものが机の上に置かれており、在校生はそれを一枚取ってゴールを目指す。完走者はゴール地点で待機している在校生より順位(智子は386位)が記された紙を渡され、労いの言葉をかけられる。スタート兼ゴール地点の付近には簡易トイレが2台設置されており、作中では女子生徒が順番待ちの行列を作っていた。智子2年次以降の作中では本行事について触れられていない。
智子1年次の1年10組で12月23日に開催されたクラスイベント(自由参加)。幹事を務めている岡田さんが蛍輝祭の打ち上げの代替イベントとして企画し、二学期終業式の日に開催日・集合時間と場所・会場・費用・岡田さんの連絡先55)が記載されているプリントを配布することでクラスに周知した。智子はイベントへの参加にはあまり乗り気ではなかったものの、智子の部屋を掃除中にプリントを発見した智子母よりお小遣いを渡されたことがきっかけで次第にその気になり、クラスメイトとの交流を妄想しながら楽しみにしていたが、当日は集合場所でクラスメイトの輪の中に入ることができなかったので彼らに会うことなく立ち去り、ゲームセンターやブックオブで時間を潰しながら帰宅した(智子母から「楽しかった?」と尋ねられた時は「うん……まあまあ楽しかったよ」とウソを付いている)。なお、エピソードの展開上クリスマス会の模様は描写されていない。
前述通り智子はクラスメイトと会わずに帰宅したが、根元さんからは「クリスマス会に来なかったのはイベントごとが苦手だからではないのか?」と思われており、2年次に本人へそのことを尋ねている(喪119)。
作中では「前期」選抜入学試験と看板に記載されていることから、前後期の二期制もしくは前中後期の三期制であることが窺えるものの、詳細な期間および内容については明らかにされていない。当日は生徒会長を始めとする生徒会メンバーが校門で受験者を出迎え、受験者はコマ間に10分間の休憩を挟みつつ複数の科目(作中で明らかになったのは2時間目の国語)からなる選抜入学試験を受験する。なお、試験中体調不良に陥った場合は救済措置として試験監督(本校教師)の指示により保健室で休養後、特別に保健室で試験が受けられるよう配慮されている(作中では雫が該当し、その後彼女は本校に合格した)。 合格発表は選抜入学試験の5日後に行われる。
選抜入学試験当日は、生徒会メンバーおよび受験者を受験教室やトイレへ誘導・急病人の介護・緊急時に備えて廊下で待機などの入試手伝いを担当する後期ボランティア委員(入試前日に体育館で行われる説明会への参加義務あり)以外の在校生は休みとなる。作中では後期ボランティア委員だった智子56)の様子が描かれていた。
智子が選抜入学試験に臨んだ時はゆうちゃん・根元さん・伊藤さんと同じ教室だったが(結果は、前述通りゆうちゃんのみ不合格)、当時智子とは初対面だった後者2名は彼女とのやりとりを覚えていたことが後に判明している(喪117・122・特別編857) )。
喪119・120・単行本12巻おまけ「喪119別視点」・単行本12巻カバー裏「理想」「現実」
智子2年次の2年4組で終業式の日に開催された最後のクラスイベント(自由参加制)。幹事である凪さん・楓・なつの3名が企画し、クラスメイトへの周知やイベント中の声掛けは凪さんが行っている。また、彼女の「前にも言ったけど」というセリフやクラスメイトへ送信されたラインのメッセージ58)から、イベントの開催は以前より予告されていたことがわかる(喪119)。一次会は焼肉屋での食べ飲み放題で当初は仲が良いグループごとに着席していたが、幹事がひとりでも多くのクラスメイトとの会話機会を増やそうと考えていたためか、途中で席替えタイムが入るミニイベントも盛り込まれた(喪120)。二次会はカラオケ店で行われたが、エピソードの展開上本編ではその模様は描写されず、代わりに単行本12巻のカバー裏イラスト「現実」にてうっちー・かよさん・南さん・サチの様子が描かれた。
当初、智子と真子から誘われていたゆりは参加・未参加のどちらでもよいと思っていたが、打ち上げには興味がなくゲームセンターで遊んでいた吉田さんがゆりとの会話(単行本12巻おまけ「喪119別視点」)を経て空腹になったこともあり参加を決めたことで、それまで態度を保留していた智子も最終的に参加することになった(喪119)。一次会では当初4人で着席していたが途中の席替えタイムでばらばらになり、智子は両隣の席になった加藤さんや体育祭の二人三脚で共に走った男子生徒との会話がきっかけとなりそれなりに盛り上がった一方、ゆりは折り合いが悪い南さんの隣の席になるが、南さんはゆりを無視して真後ろに着席した真子と会話し続け、吉田さんは岡田さんと会話していたため輪の中に入れず、最終的に孤立して無言になってしまった(喪120)。
二次会前、ひとりで帰ろうとするゆりを見かけた真子は南さんやサチとの約束を反故59)にしてゆりと一緒に帰ることになり、途中でゆりの後を追ってきた吉田さんと合流した。更に駅のホームで智子とも再会したことで4人が揃い、電車待ちの時間をともに過ごした(喪120)。一方、うっちーは二次会のカラオケで智子とのデュエットを希望していたが智子が不参加だったため実現せず(単行本12巻カバー裏「理想」「現実」)、その願いは3年次のクリスマス会でようやくかなえることができた(特別編1260) )。
智子1年次では看板に「卒業式」と記載されていたが(喪37)、智子2年次では看板に「卒業証書授与式」と記載されており(喪115(前編))、後者が本校における正式名称の可能性がある。本行事は体育館で行われ、椅子の設営などの準備は下級生が担当する(喪115(前編))。式が始まるまでに、在校生が卒業生にコサージュを付ける時間が設けられている。作中では校歌斉唱(喪37)・卒業証書授与(喪115(前編))・送辞(喪37)・答辞(喪115(前編)・115(後編))・『仰げば尊し』を合唱(喪37・115(後編))の模様が描写された。卒業式終了後、在校生はHRの時間になるが智子2年次では「3年生に挨拶したい生徒もいるだろうから」という荻野先生の計らいで早じまいしていた(喪115(後編))。卒業生は下級生とともに校内で集まって談笑しており、下級生生が卒業生にブレザーのボタンをせがむ光景も見られた(喪37)。
1年次の智子は卒業式に対して1ミリグラムも哀しくないという感情を抱いていたが(喪37)、この時の卒業生であるぼっち卒業生との会話や、2年次に自分のことを気にかけてくれていた今江さんとの別れを経験したことで、卒業式に対する意識を徐々に改めていくきっかけとなった。
本校の在校生が自発的に参加する活動は部活動と同好会活動に大別されるが、両者の違いや後者の詳細については明らかにされていない。生徒会が新規部活動の申請を受け付けており、申請を希望する在校生は「部活動申請書」に部活名と活動内容を記入して生徒会へ提出し、後日承認・否承認の結果が掲示板に掲出されるという流れになる(喪26)。文化系の部室は部室棟に存在している(喪26)。なお、二木さんは「原幕音ゲー部」(喪187)なる部活動を主催しているが、申請・承認関連の描写がなく62)、SNSアカウントのプロフィールからもわかるとおり二木さんの私的なゲームサークル(活動場所は原幕近所のゲームセンター)だと思われるため、本項目には含めないこととする。作中で判明している部・同好会活動は以下の通り。
※印は智子3年次の時点で卒業済みの人物(OB・OG)
本校のモデルとされている2高校は男女共学で中高一貫教育なのが共通した特徴である。また、この2高校は隣同士である(海浜幕張駅寄りのほぼ同一住所に存在している)。
テレビアニメ版では、原作本編では未登場のプールが描写されている(アニメ喪4)。また、多目的室・用務員室が存在している模様(アニメ喪10。ただし、いずれも室札描写のみ)。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 公式ファンブック 喪』(スクウェア・エニックス)の7ページに智子のプロフィールがアンケートへの回答という形で掲載されているが、本校名を原宿教育学園 幕張秀「栄」高等学校と誤記している65)。智子がうっかり書き間違えてしまったのかもしれないが…。