目次
喪71
モテないし出発する
基本情報
収録巻 | 8巻 |
英題 | I'm not popular, so I'll depart. |
ページ数 | 13 |
初出 | 2015年1月22日 |
あらすじ
修学旅行1日目の朝。黒木智子は智子父と智子母に送られ、JR海浜幕張駅からJR東京駅の集合場所へ向かっていた。集合場所で根元陽菜を見つけ、自クラスの位置を確認した智子だったが、他の生徒たちが皆高校指定のバッグではなく「ゴロゴロのバッグ」(スーツケース)を使用している光景を目の当たりにしたことで煽られていると思い込み、早くも帰りたくなる気持ちになっていた。その後東海道新幹線の乗車口で女子グループが座席順のことで停滞している状況を目撃した荻野先生が彼女たちを一喝し、強制的に出席番号順に着席するよう指示していた様子に珍しく感心する智子。そして新幹線は目的地の京都へ向けて出発した。
登場人物
黒木智子 智子母 智子父 根元陽菜 岡田茜 清田良典(?) 加藤明日香(初) 楠夏帆(初) 荻野先生 三家さん つぐちゃん 糸目さん(初) 黒髪ロングさん(初) 白髪眼鏡さん(初) 小宮山琴美 成瀬優(言及のみ)
名言
こいつ生まれて初めて教師らしいことした!!(黒木智子)
京都にさっさと到着するか… トラブルで修学旅行中止になるかどっちかにしてくれ…(同上)
補足
本話より修学旅行編となる。また、2015年最初の更新でもある。
本話で4組のクラスメイト5名(加藤明日香・楠夏帆・糸目さん・黒髪ロングさん・白髪眼鏡さん)が初登場した。前者2名はこの時点では名前はわからないが他の友人たちとグループを組んでいる様子が描かれており、更に前者は新幹線の座席において出席番号順で岡田茜と智子の間に座っていることから、夏休みのエピソード(喪58)にて黒木家に電話を掛けてきた「加藤さん」であることが推測できる。また、残り3名も三家さん・つぐちゃんとグループを組んでいる描写がみられ、ここから4組では少なくとも本話の時点で二つのグループが存在していることがわかる。
智子の想像のなかで三家さんが自撮り棒を使用していたが(ここから智子自身も自撮り棒を知っていたことがわかる)、これを利用することで自分撮りが簡単にできることからスマートフォンの普及に伴って有名になり、2014年のヒット商品のひとつになったこともある。ちなみに市販品としての世界初となる自撮り棒は1980年代に日本で開発されたもの。
研究ノート
東京駅までの移動手段について
智子は両親からの送迎時に海浜幕張駅で下ろされており、彼女は集合場所である東京駅までJR京葉線で向かっている(作中の海浜幕張駅の発車標からわかる)。後に智子の居住エリアが稲毛周辺であることが推測されており(喪117「密着」・138)、この場合だと京葉線の最寄り駅はJR稲毛海岸駅1)になる。何故同じ路線が発着する最寄り駅から乗らずに、わざわざ2駅先の海浜幕張駅に向かったのかは不明だが、智子が重たい荷物を背負って最寄り駅まで歩くのを母親が気遣った可能性がある。
「修学旅行列車」について
智子たちは東海道新幹線で京都へ向かっていたが、作中では一般乗客の姿が確認できないことから貸切扱いの「修学旅行列車」を利用しているようにも思える。しかし「旅のしおり」の旅程表(喪72)には「のぞみ」の記載がみられることから、貸切ではなく定期もしくは臨時列車(一般乗客との混乗)を利用した可能性が高いと考えられる。
新幹線での座席順について
4組の生徒は荻野先生の指示で出席番号順に座ることになったが、加藤明日香と智子の間に座るはずの楠夏帆がいないのは不自然である2)。事前に席が決まっていたとは思えないが、委員会や班の役割などの関係で別の席にいたか、体調の問題で誰かと窓際の席に変わって貰ったなどの事情が考えられる。
本話に登場した施設のモデルについて
1ページ4コマ目、JR海浜幕張駅(北口)の背後に描かれているツインタワーはワールドビジネスガーデンがモデルになったと考えられる。ただし作中のアングルを現実に当てはめた場合、マリブウエスト棟(奥側)はマリブイースト棟(手前側)に隠れるような形でやや小さく見える(参考リンク)。
扉絵
東京駅の地下ホームからの長いエスカレーターを登る智子