ユーザ用ツール

サイト用ツール


喪139

喪139

モテないし大学に行く理由

基本情報

収録巻 14巻
英題 I'm not popular, so It's the reason im going to college.
ページ数 15
初出 2018年8月2日

あらすじ

前話から引き続き、ゴールデンウィーク(GW)関連のエピソード。

4月29日(月)(喪137)。この日は根元陽菜と大学見学に行く約束をしていた黒木智子は、待ち合わせ場所であるJR海浜幕張駅南口で根元さんと岡田茜と合流し、智子は岡田さんも一緒に来るって言っていたことを思い出した。そして自分たちをじっ…と見つめる智子を不思議がる二人だったが、智子は1年次のクリスマス会(特別編2)の時も二人がこんな感じで待っていたなと振り返っていたのだ。目的地へ向かう電車の車内で智子は、前日に田村ゆりと見学に行った「千葉西大学」はどうだった?と根元さんから尋ねられたが、大学を見学したほかはご飯を食べたり服を見たりと…と答えた。

最寄駅のJRJR御茶ノ水駅で下車し、目的地である「森永大学」(森永キャンパス)へ到着した三人はタワーに入館するが、智子はタワーの外観や内装から、千葉西とは違う・ホテルのロビーみたいで有名私立は凄いという印象を抱いた。根元さんの提案でタワー内を適当に探検することになった三人は教室・掲示板・喫煙所などを回っていたが、喫煙所で「結構女子も吸ってるな」という岡田さんの言葉を受けた智子は「やはり大学生はタバコか……」と思いつつ、自分自身・ゆり・吉田茉咲が喫煙している光景を想像していた。

それから三人は学食の「スカイラウンジ日の出」で学部のパンフレットを眺めていた。智子は文学部のパンフに(文学科)メディア文芸専攻のカリキュラムに小説表現や創作があり、卒論テーマに深夜アニメ分析やライトノベル文化論が挙げられていることに驚く。そして、智子のパンフを覗き見した根元さんは智子にとある質問をした。

登場人物

名言

一年の時もこんな感じで待ってたな…(黒木智子)

やりたいことあるのに自分を偽って興味のない勉強してもつらいだけだよ(根元陽菜)

オタクは秋葉原好きなんだろ(岡田茜)

……ずいぶん置きにいったねー 私はクロの本気を見たかったんだけどなー…(根元陽菜)

あんなんでびびっててエロゲ声優できんの?(黒木智子)

ひなーーーーー!!?(岡田茜)

思えば高校に入る前からクロに振り回されてる気がする(根元陽菜)

補足

本話もエピソード展開の都合上、登場人物は智子・根元さん・岡田さんのみとなっている。

冒頭、智子たちが乗車していた車両は座席が収納されていることや智子が車両中央に設置されたスタンションポールを掴んでいる描写から6扉車(サハE230形)である。

「ワンチャン」とは「One Chance」の略で、元々は麻雀用語である。作中での根元さんのセリフの様に近年耳にする機会が増えてきており、基本的に語源から「可能性がある」という意味合いで用いられることが多いが、TPOに応じて意味や使い方が変化する場合もあるので定義付けが難しい語句の一つである。

智子が想像していた「なろう小説」とは、小説投稿1)サイトである「小説家になろう」で公開されている小説を指すものと思われる。ちなみに内容としては異世界転移・転生ものが多く、なろう系というジャンルで認知されている。

根元さんがプレイした「アニメにもなったエロゲー」はプレイステーション・ヴィータ(PS Vita)の『リトルバスターズ!』(Key)と思われる。同ゲームの同ハードでのCERO2)レーティングは「B(12歳以上対象)」となっており、ここから根元さんのエロゲーに対する認識が垣間見えるが、「18になってからPC版もやったよ」というセリフから、追加要素を加えて18禁化された『同エクスタシー』もプレイした可能性がある(わざわざ18歳になってからやったと言うことはそうなのであろう)。また、このことから、4月28日時点ですでに18歳の誕生日を迎えてからしばらく経過していることがうかがえる(根元陽菜の研究ノートも参照)。

智子がガチエロゲーとして紹介した「大麻人」の元ネタは『対魔忍【たいまにん】シリーズ』(LiLiTH)とだと思われる。

研究ノート

本話に登場した施設・店舗のモデルについて

智子たちが見学に訪れた「森永大学」の森永キャンパスは、最寄駅であるJR御茶ノ水駅の駅名看板・リバティータワー・同タワー17Fに存在する学食「スカイラウンジ暁3)」・シンボルマークデザインの描写や「(海浜幕張駅から)一時間くらい」「キャンパス4つくらいあるけど」という根元さんのセリフおよび文学部に文芸メディア専攻が存在することから、明治大学駿河台キャンパスがモデルになったと考えられる。また、大学名に関しては「明治(製菓)」にかけた「森永(製菓)」が由来だと思われる。

根元さんが智子と岡田さんを連れて行った「大人のデパート ドエムズ」は、外観の描写や公式サイト4)の店舗紹介ページに、根元さんが発言した内容とほぼ一致する「海外からの観光客の方にも人気のスポットです。」というコメントが記載されていることから、「大人のデパート エムズ 秋葉原店」がモデルになったと考えられる。

智子と共に入学試験を受けた女子中学生について

智子が原幕の入学試験を受けた時(喪110)に右隣に着席していた女子中学生は、表情や髪型が根元さんに酷似していたが、髪の色や言葉遣いが現在の根元さんと異なり、自己紹介時も「私は…ね」「も…」と智子に途中で遮られる形で終わってしまったため、この時点では根元さんとは明言されていなかった。その後2年次に加藤明日香の前で智子のモノマネと称して、入試時に見せられた「うぇーい! やったね」を披露していたこと(喪117「覚えてる」)と合わせ、本話ラストでの「思えば高校に入る前からクロに振り回されてる気がする」というモノローグから、件の女子中学生は根元さん本人である可能性が濃厚となった。なお、張本人である智子はなぜ根元さんが中学時代の自分を知っているのかと思っていること(喪117「覚えてる」)から、受験時のエピソードは忘れてしまっている可能性が高い。

また、智子が3年生の初日(喪122)に同じく受験生だった伊藤光から入学試験時のエピソードを聞かされた時は彼女のことは思い出しているが、もうひとり(上記にある通り根元さんの可能性が高い)については思い出していない5)。このエピソードについて智子は(恐らく恥ずかしくて)「体を熱くするもの」(喪110)と感じていたり、伊藤さんへ恥ずかしそうに「あれは中学生のノリと言うか…」(喪122)と話していることから、あまり思い出したくない模様である。

扉絵

待ち合わせ場所のJR海浜幕張駅南口で根元さん・岡田さんと出会う智子

扉絵

外部リンク

※リンクが貼られていないブログについては削除済み(2024年5月5日現在)のため閲覧できなくなっているが、当時の様子を保持する必要性からリンク先案内は存置とさせていただく。


喪138 喪140

1)
ただし、二次創作作品の投稿は運営サイドから指定されるごく一部の作品を除き、原則禁止されている
2)
コンピュータエンターテインメントレーティング機構という名称の日本の特定非営利活動法人で、日本の家庭用ゲームソフトは発売前にここで審査され、内容に応じた等級分け(レーティング)が行われることによりプレイ対象年齢も明確にされている
3)
あかつき。夜明け・明け方を指し、作中でのネーミングである日の出にかかっている
4)
18歳未満は閲覧不可のためリンクは省略
5)
根元さんは前述した智子と伊藤さんのやりとりを聞いていたようで、「へーーーー 凄い偶然だねーー」とあてつけるように二人の会話に割り込んでいる(喪122)
喪139.txt · 最終更新: by syumote