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喪139

喪139

モテないし大学に行く理由

基本情報

収録巻
英題

あらすじ

前話から引き続き、ゴールデンウィーク(GW)関連のエピソード。

4月29日(月)(喪137)。この日は根元陽菜と大学見学に行く約束をしていた黒木智子は、待ち合わせ場所であるJR海浜幕張駅南口で根元さんと岡田茜と合流し、智子は岡田さんも一緒に来るって言っていたことを思い出した。そして自分達をじっ…と見つめる智子を不思議がる二人だったが、智子は二人が「一年の時(のクリスマス会)もこんな感じで待ってたな…」と振り返っていたのだ。目的地へ向かう電車の車内で智子は、前日に田村ゆりと見学に行った「千葉西大学」はどうだった?と根元さんから尋ねられていたが、どうだったんだろうな…と答え、大学見ただけ?という質問にはご飯食べて服見たりと…と答えた。

最寄駅のJR御茶ノ水駅で下車し目的地である「森永大学」(森永キャンパス)へ到着した三人はタワーに入館するが、智子はタワーの外観や内装から、千葉西とは違う・ホテルのロビーみたいで有名私立は凄いという印象を抱いた。根元さんの提案でタワー内を適当に探検することになった三人は教室・掲示板・喫煙所などを回っていたが、喫煙所で「結構女子も吸ってるな」という岡田さんの言葉を受けた智子は「やはり大学生はタバコか……」と思いつつ、自分自身・ゆり・吉田茉咲が喫煙している光景を想像していた。

それから三人は学食の「スカイラウンジ日の出」で学部のパンフレットを眺めていた。智子は文学部のパンフに(文学科)メディア文芸専攻のカリキュラムに小説表現や創作があり、卒論テーマに深夜アニメ分析やライトノベル文化論が挙げられていることに驚く。智子のパンフを覗き見した根元さんは智子に「クロ小説家になりたいの?」と尋ね、ラノベ作家や小説家は人生楽しそうだけど無理だし…という智子からの返事をなれたらなりたいことだと捉えた根元さんが「じゃあ受けてみれば」と勧めても、この学部に入っても就職できなさそうとこぼした智子に根元さんは、どの学部に入っても就職は無理だとハッキリ告げ、どの学部に入ってもいい会社に就職できそうな器用な人と違って、智子は不器用だからそんなに上手くいかないからという理由を説明した。そしてやりたいことがあるのに自分を偽って興味がない勉強をしてもつらいだけだと続けたことで智子が無言になってしまう。根元さんは智子がラノベ作家になって作品がアニメ化された時にコネで使ってもらうことが狙いで、智子の将来はどうでもいいと話すが、智子から「ありがと もう少しちゃんと考えるわ」とお礼を言われたことで嬉しそうに「う…うん」と返事した根元さんは、有名になったら智子の小説を宣伝してあげるよと伝えた。

大学を後にした三人は秋葉原を訪れていた。根元さんによると大学見学後にどこかに寄り道したいという話になった時に、二人とも秋葉原好きだからという岡田さんの希望だと言う。「オタクは秋葉原好きなんだろ」と発言した岡田さんに、智子はバカにしているのかと感じてしまうが根元さんは気を遣って自分達に合わせてくれたのだろうけど…と一定の理解を示しつつ、この二人と秋葉原を回るのはちょっと面白そうと思っていた。エロゲーのポスターを見かけて「やべーなこの街」と感じていた岡田さんをよそに、根元さんは智子に「どっちがあーちゃんを引かせるか勝負しない?」と持ちかけるが、遠足(喪129)の時に「ひなぁー」と大声で叫んだ岡田さんがめちゃくちゃ面白かったものの、智子が今まで見たことがない岡田さんの一面を引き出したことが悔しかったという理由からだった。相当なものを見せたのではないかと勘繰る根元さんに、智子はエロゲーの画面を見せただけだと答えるが、そんな二人の会話がどんな内容なのかと不思議がった岡田さんに、根元さんは今から二人で秋葉原を案内するからと告げた。

まずは智子が同人誌を扱っている本屋へ岡田さんを連れて行った。BL【ボーイズラブ】ものの本を読んで驚く岡田さんに根元さんが「知ってるの?」と問いかけると、知識はあったけど読むのは初めてだと恥ずかしそうな表情で答える岡田さん。店を出ると、岡田さんの反応が大したものではないと感じた根元さんが、岡田さんに気付かれないようにひそひそ話で「クロの本気が見たかったんだけどなー…」と智子を挑発した。続いて根元さんがおすすめする「演技の勉強でよく行く」という触れ込みで向かった店はなんと、アダルトグッズ専門店。SMグッズを目の当たりにし、たちまち表情が変化した岡田さんは心の中で「なんの演技……!?」とツッコんでいた。高校生だからこんな店はダメだと言う岡田さんを見ながら、よく行くというのはウソで実は初入店だった根元さんは、岡田さんの変化が見たかったので来てよかったと思っていた。その時、二人の後ろでサンプル用のバイブレーターを手にした智子が振り向くと、根元さんは本気で驚き、智子に怒鳴り付けた。「お前が連れて来た店のグッズなんだけど」と返す智子だったが、岡田さんは放心状態。そして、根元さんもまるで先述の態度を誤魔化すかの様な口ぶりで、私は大丈夫だけど岡田さんが限界だから出るよと言い、退店することになった。

根元さんは勝負は私の勝ちだと智子に宣言後、水のペットボトルを手にしながらベンチで休んでいた岡田さんを見つつ、エロいことがダメだから彼女には刺激が強すぎたかもねと話していた。黙って聞いていた智子は「そういうネモも結構びびってなかった?」と指摘するが、根元さんは慌てて反論した。が、なおも智子は「あんなんでびびっててエロゲ声優できんの?」と畳み掛けると根元さんは再び反論後、エロゲーもプレイ済みだということをアピールしつつ、ちょっとエッチだったけど全然演じられるよと答えた。そして智子から「ガチエロゲーはやってないの?」と質問された根元さんは、ガチエロゲーはよくわからないけどそんなエロゲばかりやるわけないでしょと笑顔で流そうとするが、「いい機会だから見て行く?」という智子の一言でゲームショップへ連れて行かれることに。店内のデモで「ガチエロゲー」のプレイ画面を目撃した根元さんは、顔がひきつり大汗をかきながらもなんとか平静を保とうとしていた。こういうのはやらないんだよな?という岡田さんからの質問にはうんと答えたものの、自分を見つめる智子の表情がバカにしていると感じた勢いでガチエロゲーを購入してしまう。その様子を見た岡田さんは大声で「ひなーーーー!!?」と叫んだ。

帰りの電車の車内。岡田さんは疲れてしまったのかシートに座りながら眠りに落ちていた。根元さんは大学見学に行ったはずなのになぜエロゲーを買ってしまったのか・高校入学前(喪110)から智子に振り回されている気がすると思っていた。そして隣で立っていた智子に「クロ むっつり(スケベ)だし小説家になれなかったらエロゲライターになれば」と勧める。もしそうなれば出てあげるよと話す根元さんに対してならんわと答える智子だったが、エロゲライターという手もあるから「森永大学」の文学部も悪くないなと思う智子。そして同じ大学に行くことになれば今度は私が智子を振り回してやると思う根元さん。隣同士の二人がそれぞれ思惑を抱きつつ、電車は三人の目的地に向かって走っていた…。

登場人物

名言

一年の時もこんな感じで待ってたな…(黒木智子)

いや クロはどの学部入っても就職無理だよ(根元陽菜)

オタクは秋葉原好きなんだろ 二人とも秋葉原好きなんだろ(岡田茜)

……ずいぶん置きにいったねー 私はクロの本気を見たかったんだけどなー…(根元陽菜)

あんなんでびびっててエロゲ声優できんの?(黒木智子)

ひなーーーーー!!?(岡田茜)

思えば高校に入る前からクロに振り回されてる気がする(根元陽菜)

補足

本話もエピソード展開の都合上、登場人物は智子・根元さん・岡田さんのみとなっている。

冒頭、智子達が乗車していた車両は座席が収納されていること、智子が車両中央に設置されたスタンションポールを掴んでいる描写から6扉車である。

智子達が見学に訪れた「森永大学」の森永キャンパスは、最寄駅であるJR御茶ノ水駅の駅名看板・リバティータワー・同タワー17Fに存在する学食「スカイラウンジ暁1)」・シンボルマークデザインの描写や「(海浜幕張駅から)一時間くらい」「キャンパス4つくらいあるけど」という根元さんのセリフおよび文学部に文芸メディア専攻が存在することから、元ネタは明治大学駿河台キャンパスである。また、大学名に関しては「明治(製菓)」にかけた「森永(製菓)」が由来と思われる。

「ワンチャン」とは「One Chance」の略で、元々は麻雀用語である。作中での根元さんのセリフの様に近年耳にする機会が増えてきており、基本的に語源から「可能性がある」という意味合いで用いられることが多いが、TPOに応じて意味や使い方が変化する場合もあるので定義付けが難しい語句の一つである。

智子が想像していた「なろう小説」とは、小説投稿2)サイトである「小説家になろう」で公開されている小説を指すものと思われる。ちなみに内容としては異世界転移・転生ものが多く、なろう系というジャンルで認知されている。

根元さんが二人を連れて行った「大人のデパート ドエムズ」は「大人のデパート エムズ」が元ネタだと思われ、同店公式サイトには根元さんのセリフ通り「海外からの観光客の方にも人気のスポットです。」と記載されている。

根元さんがプレイした「アニメにもなったエロゲー」はプレイステーション・ヴィータ(PS Vita)の『リトルバスターズ!』(key)と思われる。同ゲームの同ハードでのCERO3)レーティングは「B(12歳以上対象)」となっており、ここから根元さんのエロゲーに対する認識が垣間見えるが、「18になってからPC版もやったよ」というセリフから、追加要素を加えて18禁化された『同エクスタシー』もプレイした可能性がある。

智子がガチエロゲーとして紹介した「大麻人」の元ネタは『対魔忍【たいまにん】シリーズ』(LiLiTH)と思われる。

研究ノート

智子受験時の女子生徒について

智子が原幕受験時(喪110)に右隣に着席していた女子生徒は表情や髪型が根元さんに酷似していたが、髪の色や言葉遣いが現在の根元さんと異なり、自己紹介時も「私は…ね」「も…」と智子に途中で遮られる形で終わってしまったのでこの時点では根元さんとは明言されていなかった。その後2年次に加藤明日香の前で智子のモノマネと称して、入試時に見せられた「うぇーい! やったね」を披露していたこと(喪117「覚えてる」)と合わせ、本話ラストでの「思えば高校に入る前からクロに振り回されてる気がする」というモノローグから、件の女子生徒は根元さん本人である可能性が濃厚となった。なお、張本人である智子はなぜ根元さんが中学時代の自分を知っているのかと思っていること(喪117「覚えてる」)から、受験時のエピソードは忘れてしまっている可能性が高い。

扉絵

待ち合わせ場所のJR海浜幕張駅南口で根元さん・岡田さんと出会う智子

扉絵

外部リンク


喪138 喪140

1)
あかつき。夜明け・明け方を指し、作中でのネーミングである日の出にかかっている
2)
ただし、二次創作作品の投稿は運営サイドから指定されるごく一部の作品を除き、原則禁止されている
3)
コンピュータエンターテインメントレーティング機構という名称の日本の特定非営利活動法人で、日本の家庭用ゲームソフトは発売前にここで審査され、内容に応じた等級分け(レーティング)が行われることによりプレイ対象年齢も明確にされている
喪139.txt · 最終更新: 2018/08/07 00:45 by syumote