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喪136
モテないし漫画を薦める
基本情報
収録巻 | |
英題 |
あらすじ
同中トリオである黒木智子・成瀬優・小宮山琴美がいつもの集合場所である「STAR TURRYS COFFEE」でお茶していると、ゆうちゃんが智子から借りていた『しあわせの猫』という漫画本を読んだ時に感動して泣いてしまったくらい凄く良かったと絶賛しながら智子に返してきた。その漫画本は「漫画で泣く奴とか雑魚」と思っている智子すらも泣けてきて、久しぶりに誰かに読ませたいと思うほどの内容だった。そして智子は、(自分も借りて)読みたいそぶりを見せた小宮山さんに対しては電子書籍で入手すれば、と言い放った。
後日、智子は以前(喪132)、少女漫画本を借りたお返しとして田中真子に件の漫画本を薦めていた。智子から漫画本を借りて読んでいた真子を後ろから見つめる田村ゆり。だが、真子は突然立ち上がると教室から出て行ってしまう。その頃、吉田友人たれ目・麗奈と別れた吉田茉咲は、中庭のベンチに座っている真子を見かけた時に様子がおかしいことに気付く。吉田さんが呼びかけると真子は号泣していた。心配した吉田さんが真子から事情を説明されて号泣の理由が漫画本の内容にすごく感動したからということを知ると自分も興味を示し、自分から智子に返しておくからと真子に頼んで又借りすることになり、そのままベンチで漫画本を読みだした。
放課後、漫画本が吉田さんの手元にあることを真子から聞かされた智子がフリマアプリに出品するつもりじゃないだろうなと考えていると、吉田さんが漫画本を返しにやってきた。吉田さんは目に涙を浮かべており、「泣いたのかなって」と智子から指摘されるが、吉田さんは恥ずかしそうに「いい話だったからな」と返事した。その流れから三人は漫画本の感想を語り合っていたが、一人ゆりだけは無言でその様子を見つめていた。
四人で下校中、智子に頼んで漫画本を借りたゆりは自宅や学校で繰り返し何度も読むが、全く涙が出ないことから自分は三人とは違うんだと考え始めてしまい、「私も昨日同じの買っちゃった」という真子の言葉にも反応を示さず無言だった。その後真子は、登校してきた南小陽にも漫画本を薦めるが、目を通した途端に表情が一変した南さんの感想は「いつも貸してくれる漫画本と比べてつまんない」「主人公が陰キャラでキモい」というもので、「感動しなかった?」と問いかけても不思議そうな表情をしていた南さんに対して真子は内心では「(南さんの性格や悪意を込めた言動が変わると思って漫画本を読ませたのに)ダメだ…!どうしたらいい子に…!」と感じていた。
二人のやりとりを見ていたゆりは、自分が「これ=南さん」と同類で、智子のことをわかった気になって勝手に自分と同じだと思っていた・漫画本がわからないのと同様に智子やみんなのことが分からないし、誰も自分のことをわからないんだ…と、悪い方悪い方に考えていた。ちょうどその時に登校してきた智子はゆりに気が付くと、「それつまんなかったでしょ?」と話しかけた。智子は貸した漫画本はゆりが好きそうじゃないからと思い、家から別の本を持ってきていたのだ。ところが、ゆりの表情を見た智子は「あれ?意外と良かった?」と問いかけ、理由を尋ねられるとゆりが涙目になってるからと答えた。そしてゆりから「なってないよ」と意地を張られても、内心で「なってんだろが…」と思う智子であった。
登場人物
名言
一般人のゆうちゃんでいけたし大丈夫だろ(黒木智子)
おい!!どうした!!(吉田茉咲)
まじかよ メ●カリとかに出品しねーだろな(黒木智子)
ダメだ……… 何度読んでも涙が出ない(田村ゆり)
ダメだ…!どうしたらいい子に…!(田中真子)
……これと同類……(田村ゆり)
いや 涙目になってるから(黒木智子)
補足
智子はゆりに送ったLINEメッセージの中で真子のことを「真子さん」と記載していたが(喪99)、本人に直接「真子さん」と呼びかける様子が描写されるのは本話が初となる。
智子が持っている漫画本は『しあわせの猫』というタイトルであることが作中より確認できるが、元ネタとなった漫画は不明。余談だが猫というワードがタイトルに含まれている・感動作品(との触れ込み)の共通項がある『猫なんかよんでもこない。』(杉作)というタイトルの漫画が実在する。
ゆりの自室にあるカレンダーには31日まで記載されていることが作中より確認できるが、月は不明。