目次

喪79

モテないし自由行動する

基本情報

収録巻 9巻
英題 I'm not popular, so I'll do whatever I want.
ページ数 13
初出 2015年6月4日

あらすじ

修学旅行3日目、自由行動での出来事を描いたエピソード。

黒木智子はホテルのパソコン室で行き先の情報を調べていたが、久々のインターネットに夢中になってしまい、チェックアウトの時間が迫る中、慌てて部屋に戻ると既に4班メンバー(田村ゆり吉田茉咲内笑美莉)は全員退出していた。この日の自由行動が自分にはあまり関係ないと思っていた智子はゆりや吉田さんに声をかけようとするが、二人とも友人といたことから今日の自由行動はひとりになってしまうのかと肩を落とす。そして、友人たちと別れた吉田さんの所にゆりと田中真子がやってくるが、その場に智子はいなかった。

一方、ひとりぼっちになってしまった智子は「京都って言ったら やっぱり一人旅だよな…」と思いながら嵐電【らんでん】(詳細は後述)に乗り、京福嵐山駅へ向かっていたが…。

登場人物

黒木智子 田村ゆり 田中真子 吉田茉咲 杏奈(初) 麗奈(初) 小宮山琴美 伊藤光 【以下の登場人物は扉絵のみ登場】 内笑美莉 大隣凪 なつ 宮崎さん かよ? 雌猫(黒髪)

名言

で賢人【けんと】がー 一時間おきにしてきて でないとすっげーキレて 学校だからって言ってんのに でもマジ賢人すきー(杏奈)※ガンガンONLINE初出時のみ

にしても みんなぼっちに見えて意外と友達いるんだな……(黒木智子)

あんなのガキの乗り物だよ(中学時代の黒木智子)

あの地味なのとも ヤンキーとも きっと疎遠になっていくのだろう…… つーかもうなってるか……(黒木智子)

んだよ… 本当に友達いたのかよ…(小宮山琴美)

補足

扉絵にて雌猫の間グループが訪れていた野宮神社は「恋愛成就」のご利益で有名な神社である。大隣凪がピースサインをしながら撫でていた大きな石は「亀石(神石)」という野宮神社最大のパワースポットで、撫でながらお祈りすると一年以内に願いごとがかなうと言われている。

本話にて吉田さんの友人である杏奈麗奈が初登場した。また、ガンガンONLINE初出時の本話では吉田さん・杏奈・麗奈の会話シーンにて杏奈が彼氏のことでのろけるセリフ(「名言」の項目を参照)や彼女を冷やかす麗奈と吉田さんのセリフが記載されていたが、単行本9巻収録時に三人のセリフが全てカットされて会話風景のみとなるように修正されたことで、杏奈に「賢人」という名前の彼氏がいるという設定は事実上なかったことにされた(その理由は明らかにされていない)。なお、ガンガンONLINEの本話のバックナンバーは単行本仕様のため初出時の当該シーンを確認することはできなくなっているが、下記外部リンク先の「滅びゆくじじい」にて確認することが可能。

智子は「嵐電」に乗って嵐山へ向かっていたはずだが、嵐電嵐山駅到着時のシーンではなぜか別会社(阪急電鉄)の路線である阪急嵐山線嵐山駅の駅名標が描かれている。ちなみに両駅の距離は渡月橋を挟んだ850mほど。

本話7ページに登場した着ぐるみのキャラクター「月●渡」は実在しており、「月橋渡【つきはしわたる】」という嵐山商店街所属のゆるキャラである。性別は「男の子」、年齢は「だいたい1180歳くらい」(月橋渡公式Xのプロフィールより)で、背中に付いているのはネーミングの由来となった渡月橋である。ちなみに作中で着ぐるみと同行している男性のセリフでは前述通り伏せ字になっているが、彼が装着しているPOPには伏せ字がない「月橋渡」と表記されている。

智子の中学1年次の回想にてクラスメイトの女子生徒が言及していたネズミーランドのアトラクション「モーさんのミルクハント」は、智子3年次の遠足エピソードにて「モーさんのmilkハント」という名称で登場し、アトラクションの様子も描かれることになる(喪130(上)1) )。ネズミーランドについては喪123の補足も参照されたい。

小宮山琴美の独特の私服は、出発前に図書室で読んでいたファッション誌「KELA」(喪70)の影響を受けたものである。「KELA」については喪70の補足の項目を参照。

智子がゆり・吉田さん・真子に案内した昼食用の店舗(言及のみ)は、事前に調べていた食ログ(元ネタは食べログだと思われる)では3.5以上の評価を得ていたことと、ゆりが2日目の昼食(喪76)と同様、「マズかった」という感想を抱いていたことが3年次での本人による発言(喪124)にて明らかにされた。智子はこのことを気にしていたようで、ゆりとの大学見学エピソード(喪138)にてようやく雪辱を果たすこととなる。詳細は喪138のページを参照。

研究ノート

本話に登場した鉄道について

智子が本話で利用した鉄道路線の正式名称は「京福電気鉄道嵐山本線」であるが、利用者からは「嵐電」という愛称で呼ばれており、2007年以降は京福公式の愛称となったことから公式サイトや乗客案内上でも「嵐電」が用いられている。また、智子が車窓からの景色を眺めているシーンではバスにみられる降車ボタンらしきものが描かれているが、実際の車両にも降車ボタンが設置されている2)

扉絵

雌猫の間グループが野宮神社の亀石の前で縁結びの願掛けなどをして楽しむ

扉絵

外部リンク

※リンクが貼られていないブログについては、2025年9月3日時点で削除済みのため閲覧できなくなっているが、当時の様子を記録するためにリンク先案内は存置とさせていただく。


喪78 喪80

1)
単行本13巻には㊤㊦がまとめられた喪130として収録
2)
ちなみに車内アナウンスでは降車前にボタンを押すよう求められるが、嵐電は全ての駅に必ず停車するため利用上は押さなくても特に問題はなく、ワンマン運転を行う運転士に降車客の存在を認識させる意味合いが強い