モテないし文化祭に参加する
| 収録巻 | 3巻 |
| 英題 | I'm not popular, so I'll be in the culture fest. |
| ページ数 | 16(ガンガンONLINE初出時)→17(単行本3巻収録時) |
| 初出 | 2012年6月12日 |
蛍輝祭二日目の日曜日。登校してきた黒木智子は開幕前日の 体育館で声をかけてくれた文化祭実行委員長の今江恵美と 校門で出会う。 今江さんは智子に「今日が本番だね 昨日はどうだった」と 尋ねるが、緊張した智子は上手く答えることができないでいた。 そして、智子は今江さんが生徒会女子からの質問に対応している 間にその場を離れてしまう。 智子がいなくなったことに気付いた今江さんは、無言で 彼女の後姿を見つめていた…。
※上記については初出時を除く。 詳細は「補足」の項目を参照。
蛍輝祭編…事前準備の様子を描いた前話より引き続き、開幕後のエピソード。
蛍輝祭二日目は一般人も入場可能となる解放日である。黒木智子は来場客で賑わっている「コスプレcafe」で根元陽菜らクラスメイトがてんてこまいになっている状況を眺めながら、今日もやることがないと感じていた。そして前日である一日目の出来事を回想するが、クラスに居所がなくうろついたもののまずいたこ焼きを食べたことや軽音楽部の発表で変なノリを求められた結果、たこ焼きを吐いてしまうはめになり、最終的に「学校のはじっこ」で適当に過ごすという嫌な思い出しかなかった。
智子は、自分を訪ねて原幕にやってきた成瀬優と一緒なら「私も文化祭を楽しめるかもしれない」と思いつつ、とある思惑からゆうちゃんを10組に呼ぼうとしたところ、彼女から「1-10にいるよ」というメッセージが届いた。ほどなく再会した二人だったが、智子に会いたかったゆうちゃんは自分から抱きついてきた。ゆうちゃんの行動に驚いた智子は思わずセクハラ行為をしようとするが…?そして共にやってきた友人たちと別れたゆうちゃんは智子と校内を回ることになった。先程のアクションに動揺しながらも不思議な安らぎを感じ、案内しているうちに再び抱きついてもらえないかと考えを巡らせる智子は、ゆうちゃんをとある出し物へと案内する。
※主な原作との相違点については上記ページを参照。
黒木智子 今江恵美 成瀬優 岡田茜 清田良典 生徒会女子 根元陽菜(シルエット) 優の友達(黒髪セミロング) 優の友達(明るいツインテール) 初芝くん(ペンネームのみ)
今日は本番だね 昨日はどうだった(今江恵美)※初出時を除く
お湯まだ沸いてないの!?(根元陽菜)
このビッチ 私の友達なんすよ(黒木智子)
ちくしょう! せっかくだからケツ触っとくか…!!(同上)
もこっちのメイド姿 見たかったなー(成瀬優)
あれ…楽しい…学校なのに 文化祭で友達がいるだけで こんなに…(黒木智子)
本話は原宿教育学園幕張秀英高等学校における行事の様子が初めて描かれたエピソードである。原幕の文化祭には「蛍輝祭【けいきさい】」という正式名称が付けられていることが本話にて判明し、冒頭での智子によるナレーションおよび校門のアーチや校内に貼られているポスターで確認できる。その他詳細は原幕のページの「蛍輝祭」を参照されたい。
1年10組の催し物である「コスプレcafe」は「男の娘【おとこのこ】メイドいます。」がウリのひとつで、作中では清田良典1)が女装して接客している様子が描かれている。また、作中の描写を見る限りではそれなりに盛況だったようで、「お湯まだ沸いてないの!?」と発言している根元さんの語調の強さからも準備が追い付かなくなりそうになり慌てている様子が窺える。なお、メイド服の衣装は根元さんや岡田茜たちが友人・演劇部・どこかの店舗から調達してきたことが前話で説明されている。
本話にて智子が回想しており、一日目の多くの時間を過ごしていた「学校のはじっこ」は校舎の階段(具体的な場所は明らかにされていない)を指しており、智子と同じ状況にあると思しき在校生(男子生徒)が利用している様子が窺える。3年次の蛍輝祭では「思い出の場所」として友人たちに教えている(喪226(中編)2)「思い出の場所」)。また、同一の場所かどうかは不明だが、前話に登場したクラスメイトの男子生徒2名も3年次の蛍輝祭で校舎の階段に座っているシーンがある(喪234(前編)扉絵)。
幕張本郷高等学校3)でできたゆうちゃんの友人たちは夏休みのエピソード(喪14)にて存在が触れられていたが、本話にて2名(黒髪セミロング・明るいツインテール)が初登場した。また、この2名は智子3年次の蛍輝祭にもゆうちゃんと三人で訪れている(喪229)。
ラストシーンは今江さんの卒業式(喪115(後編)4) )に関連しており、この時智子は着ぐるみの中に入っていた人物が誰だったのかを知ることになる。
テレビアニメ版では前話と本話がまとめられた喪11「モテないし、文化祭に参加する」として放送されたが、最終話の放送2日前5)に発売された『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 公式ファンブック 喪』(スクウェア・エニックス)の139ページに掲載された監督の大沼心氏とシリーズ構成および喪11を含む一部エピソードの脚本を担当した吉岡たかを氏の対談コーナーにて、大沼監督が文化祭のエピソードをテレビアニメ版の山場に据えたシリーズ構成にしたことを明かしており、吉岡氏も文化祭のエピソードでは実行委員長(今江さん)の存在が特別だとコメントしている。
本作品は単行本に収録される際にガンガンONLINE初出時における誤字・脱字などの修正および人物などの加筆・描き直しが頻繁に行われているが(詳細は下記外部リンク先「谷川ニコまとめWiki」に詳しい)、本話は扉絵前の冒頭に1ページ(上記「あらすじ」で背景色がピンクの箇所)追加されており、10年以上の長期連載期間中、唯一のケースとなっている。これに伴い、初出時には終盤のみ登場していた生徒会女子の出番が追加され、彼女が今江さんを「委員長」と呼んでいることが新たに判明した。ページが追加された理由(「研究ノート」の項目および下記外部リンク先「もこっちを見守る会」にて考察)については明らかにされていないが、智子と今江さんの関係性およびラストシーンに大きく関わる内容となっている。なお、ガンガンONLINE(アプリ版)のエピソードリストおよびスクウェア・エニックスのまんがアプリ「マンガUP!」では本話が単行本仕様で配信されているため、単行本未読派のファンにも配慮されている。
蛍輝祭閉幕後のエピソード(喪22)で黒木智貴の部屋に9月と10月の月表カレンダーが掛けられているので、智子1年次の文化祭は9月か10月に行われたことになるが、カレンダーとしてはあってはならないミスが認められるのでカレンダーではなく、智貴がカレンダー風のポスターを飾っているだけの可能性も考えられ(喪22の研究ノートの項目を参照)、カレンダーであるとしてもめくり忘れの可能性もあって断定できない(めくり忘れを想定すると11月の行事ということもギリありえなくはない。黒木智子の研究ノートも参照されたし)。なお、テレビアニメ版では10月の土日2日間の行事とされている(アニメ喪11)。
智子がゆうちゃんと再会した様子を見た岡田さんが「?」と驚いたような表情をしていたが、この反応は、智子に友人がいたことに対してなのか?それとも「もこっちのメイド姿 見たかったなー」というゆうちゃんのセリフに対してなのか?
⇒作中では明確にされなかったが、普通に考えれば、「ところでもこっち今日はコスプレしないの?」からの流れを聴いて(え?こいつそんなことしてたか?)という旨の?であろう。
本話では、ゆうちゃんと智子が会話の話題にしていたテレビアニメ関連の映画を観に行く約束をするが、後日(喪29)、ゆうちゃんが智子に映画に行けなくなったという断りの電話を入れているシーンがあり、約束をした本話から繋がっているかもしれない。なお、このアニメは会話の内容と映画化の時期から『魔法少女まどか☆マギカ』ではないかと考えられる。
智子とゆうちゃんが見に行った漫画研究部の展示では2枚のイラストが飾られているが、そのうちの一方のイラストのペンネーム「芝雅」が、初芝くんのペンネームなのでは無いかという説がある(もうひとつは「紅紀ノ介」)。このイラストはアニメ喪11においては「僕の天使」というタイトルが付けられてアップにされているが、その絵は居残りエピソード(喪9・アニメ喪2)にて初芝くんが描いた智子のイラストによく似ているというのが理由である。
⇒3年次の智子と根元さんが夏コミに行くエピソード(喪177(前編)6)にて夏コミにサークル参加していた漫画研究部の頒布作品の表紙は初芝くんが手掛けていることを研究部員が説明しており、表紙に「cover 芝雅」と記載されていたことで彼のペンネームであることが確定した。なお、彼は3年次の蛍輝祭にも「紅紀ノ介」と共に「芝雅」名義でイラストを展示している(喪234(前編)扉絵)。
前述通りページが追加された理由は明らかにされていないが、初出時では今江さんと智子が直接絡むシーンがなく、今江さんが智子を気にかける描写もない。このためラストで「今江さんが生徒会女子に代わって着ぐるみの中に入り、智子に風船を渡す」ほどの心情に至る流れに唐突感があることが否めなく、今江さんの動機付けのために二人が出会った状況を加筆したことが考えられる。なお、テレビアニメ版では独自描写が追加されたことにより補完されている。詳細はアニメ喪11のページを参照されたい。
文化祭、蛍輝祭のポスターの貼られた窓から模擬店の広げられた中庭を覗く智子