12巻おまけ

単行本12巻収録の描き下ろし話。

喪117(「覚えてる」)にて、根元陽菜が加藤明日香に請われて黒木智子のものまねを披露した後の話。

智子がトイレに行くために教室を離れた様子を見ていた南小陽は、根元さんに智子のものまねを再度披露する様お願いした。

快く了承した根元さんは智子のものまねを披露するが、それを観た南さんは笑顔で「キョドッてて キモいとこ そっくりだね」とあたかも智子の悪口の様なものまねの評価をしただけでなく、智子が廊下の階段でつまづいて転んだ様子までも得意げに語りだした。

それに対して根元さんはそういうつもりで披露したわけではないと返すが、意外な反応に驚いた南さんは、ノリが悪いけど3年生になれば会わないかと心の中で思うのであった。

喪119にて、智子の視点から描かれていたために内容不明であった吉田茉咲と田村ゆりの会話風景を二人の視点から描いた話。

2年4組最後の打ち上げ前、ゲームセンター「SECA」でパチンコを打っていた吉田さんに付き合うことにしたゆりと田中真子。ゆりは吉田さんに智子が打ち上げに来ることを伝えた上で、間違いが起きない様見張らないのかという体で打ち上げに誘ったが、2年生の最後まで智子のお守りをしなければならないことが不満だった吉田さんは意に介さなかった。ゆりは前日(喪118)の様に自分達も誤解されるかもとなおも食い下がるが¹⁾、吉田さんから「うるせーよ」と言われてしまう。

その後、吉田さんからパチンコのやり方をアドバイスしてもらったゆりが4人(智子・ゆり・真子・吉田さん)でいれれば別にいいと話すと、吉田さんは沈黙の後に「……腹は減ってきた」と打ち上げへの参加を暗に示す様な返事をし、ゆりも同意するのであった。

黒木智子 加藤明日香 南小陽 根元陽菜 田村ゆり 吉田茉咲 田中真子

……いや別に そういうつもりでやったわけじゃないんだけどな(根元陽菜)

まあ私はこうやって4人でいれれば別にいいんだけどね……(田村ゆり)

……腹は減ってきた(吉田茉咲)

短編回である喪117は各話の時系列が明示されていないが、「プロ」から「覚えてる」へと続き本話の「喪117その後…」に至ることは明らかであり、本話での南さんのセリフにより「知らない顔」が少なくとも「覚えてる」より以前のエピソードであることがわかる。「知らない顔」と「プロ」の先後関係は判然としないが、「知らない顔」以降の各話は時系列順に並べられているようなので「知らない顔」は「プロ」以前のエピソードであると思われる。

また、喪128(「バラバラ」)での南さんの「2年の時 根元と話したことあるけど」という発言から2人の会話が滅多に行われるものでなかった様子が窺えるが、「喪117その後…」での2人の会話は席替えを機に行われた初めてのものであった可能性があり、この時の南さんの「うわぁ… なんかノリ悪……」という根元さんへの印象が喪128での南さんの「(根元って)基本ノリ悪いし」という陰口を引き出したものと思われる。なお、南さんの言う「さっきの(智子の)モノマネ」は、「プロ」でのものを漏れ聞きそれを指しての可能性もあるが、おそらくは「覚えてる」での「うぇーい! やったね」であると思われる。

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