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喪115(後編)
モテないし二年目の卒業式(後編)
基本情報
収録巻 | |
英題 |
あらすじ
喪115(前編)から引き続き二年目の卒業式、壇上の今江先輩の答辞を真剣な面持ちで聞く下級生たち。式が終わると荻野先生は、皆が卒業生に挨拶できるようにと珍しく粋なはからいをしてHRを早めに切り上げる。
「帰る?」と尋ねる田村ゆりに対して「一応挨拶しときたい人がいる」と答えた智子だったが、校舎から出て見ると今江先輩は大勢の友人に囲まれており、智子は遠慮して挨拶をせずに帰ろうとする。
そこへ喪98で今江先輩とも縁があった吉田茉咲が現れ、無言で智子を今江先輩の前に引っ張って連れていき、「じゃあな」と一言だけ言って立ち去る。
ようやく二人きりになれて「ご卒業おめでとうございます」と告げた智子に対し、少し心残りだったと別れの時にあえて「今江恵美」ですと自己紹介をした今江先輩は、お世話になったばかりだったから最後に何か頼み事はあるかと聞く智子を、「最後にもう一回抱きしめておこう」と言ってハグをする。
ゆりと真子と一緒の帰り道、真子から元生徒会長と知り合いだったのかと尋ねられ、一年の文化祭での出会いの話をしかけて、あの時の着ぐるみは今江先輩だったのだとようやく気付いた智子。
「いつも気づくのが遅い」「最初から最後まで与えられてばかりか」と鼻をすすりながら立ち止まりうつむく智子に、真子がティッシュを差しだそうとするのを、何を察したゆりはその手をそっと止めるのであった。
登場人物
名言
研究ノート
喪98で智子、吉田さん、今江先輩3者の交流があったからこそ吉田さんが一歩踏み出せない智子を後押しし、最後に今江先輩に挨拶ができるようになる。そして今江先輩に「もう一度」抱きしめられ、ゆり、真子との関係を築いたことで下校途中の会話であの時を思い出す。喪37で涙ぐむ今江先輩を見て「あの人みたく色んな人との関係を築けばこの卒業式も感動できるものになったのかな・・・」と思う智子であるが、今回の卒業式では智子が色んな人との関係を築いた事で最後に立ち止まってうつむき、かつての先輩のように何かを感じ取る事ができたのである。