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喪210_前編

文書の過去の版を表示しています。


喪210(前編)

モテないし文化祭準備(前編)

基本情報

収録巻
英題
ページ数 9

あらすじ

蛍輝祭の準備の様子を描いた短編回

目的地

3年5組では蛍輝祭までの5・6限目が自習の時間になったので、出し物の準備に充てることになった。外出した男子たちの行き先が気になった黒木智子は、彼らがダンボールを調達するために近所のスーパーなどの店舗へ向かったことと、岡田茜清田良典が映画に出演しない男子を中心に教室の飾り付けをやってもらおうと動いていることを根元陽菜から聞かされる。映画を撮ることしか頭になかった智子は二人の存在にありがたみを感じるとともに「ネモは意外と頼りにならないし」と返したが、根元さんも負けじと「いや 私も パンフレットのデザイン初芝くんに頼んだり 裏でやってるから」と返した。

一方、田中真子はスマートフォンを眺めている南小陽に飾り付けを一緒にやろうと誘うが、スマホに「ちょっと外出ない?」という美馬サチからのラインメッセージが入っていたので、南さんは真子からの誘いを断ってサチからの誘いに乗ることに。サチと合流した南さんは「外行く?」と尋ねるが、サチがダルいという理由で校内を回ることを提案したので校内を回ることになった。そして、久しぶりに2年生のエリアを訪れると、南さんはとある教室の前で腕組みをしながら佇んでいる小宮山琴美に気付く。二人がその教室を覗くと劇の練習中だった。どこかから(食べ物らしき)匂いが漂ってくることに興味を示した南さんはサチに呼びかけるが、サチは小宮山さんの隣で「何あれダサ」と言いつつ、面白いからちょっと見ないかと南さんを誘おうとしていた…。

登場人物

投げ銭

劇の練習をしていたのは黒木智貴のクラスだった。衣装を身に着けた智貴と井口朱里を目にした眼鏡監督が、朱里は似合っているけど智貴があまり…と、智貴についてはどこか納得のいかない感じで感想を述べると、ジト目ツインテールも「王子っぽくないね」と同意した。髪を弄ることでマシになるんじゃないかと提案したジト目さんは、クラスメイトの男子からヘアスプレーを借りると監督ちゃんの意見を採り入れながら智貴の髪を弄り始めた。

一方、教室のドア付近では、小宮山さんとサチが揃って腕組みをしながらそのやりとりを見つめており、そのかたわらにはサチに付き合う形になった南さんの姿もあった。そして髪の手入れが終わり、王子の髪型っぽくなった智貴を見た監督ちゃんは、彼の鋭い目つきが気になりつつ「あー いいかも」と好感触な様子。そんな中、クラスメイトの女子生徒に呼ばれた監督ちゃんは、女子生徒から「あの3年生がこれを…」と言われ、計160円分の小銭を手渡されそうになる。その行為に驚き、即座に返すよう伝えた監督ちゃんのはるか先には、変わらず腕組みをしながら見つめてくる小宮山さんと、彼女に目をやるサチの姿が…。

登場人物

実力者

劇の練習を見ていてもつまらないので、もう行こうよと言い出した南さんにサチも了承し、その場を去ろうとする二人と入れ違いに成田美保佐々木風夏がやってきた。その場にいた「メガネちゃん」=小宮山さんに気付いた美保さんは、「幕張珈琲店」での会話で存在が気になっていた教室内の智貴を見て「あれがクロちゃんの弟!? 想像と違う!!」と大はしゃぎし、同じく智貴を見た風夏さんは「(姉の智子に)似てるような 似てないような……」という感想をもらした。

その後も、南さんとサチの目前に吉田茉咲内笑美莉が次々とやってくる。二人を「ヤンキーちゃん」「絵っちゃん」というあだ名で呼んだ美保さんが「弟くん見に来たの?」と尋ねると、その質問には答えず、あだ名に反応する二人。小宮山さんは場が騒がしくなりそうな雰囲気に釘を刺すように「今 智貴くんの 演技入るから静かに」と注意した。そして、目の前のやりとりを聞いていたサチの瞳が鋭くなっていく…。

一方、教室内では…練習を見学するギャラリーが日増しに多くなっていることを感じていたジト目さんが、監督ちゃんに「なんか能力者集団に見られてるみたいで 落ち着かなくない?」と振ると、監督ちゃんも「うん……… あっちの方が私達より濃いし」と同意した。二人の視界には、舞い戻ったサチと南さんを含めた七名が見つめている様子が映っていた。そう、「能力者集団」とは彼女たちのことを指していたのだ。

登場人物

ダンボール

準備で賑わう5組の教室では、手が空いていた加藤明日香が智子に映画を撮るかどうか尋ねていた。撮りたいのはやまやまだけど、教室にみんながいるので放課後かな…と智子が返事していた時、二人のすぐ近くには誰かと通話中の清田くんと岡田さんがいた。そして、岡田さんは二人に清田くんの通話の内容を話す。清田くんの通話相手は「目的地」でダンボールを調達しに外出した男子生徒で、どこのクラスも目的は同じなのでダンボールが見つからないという報告だったのだ。岡田さんは続けて、このあたりでダンボールがありそうないい場所はないか二人に尋ねたところ、加藤さんが「今私達暇だから 探してこようか?」と提案し、二人はダンボールのありかを求めて外出することになった。

ダンボール探しの旅に田村ゆりが加わり、三人は会話しながらダンボールがありそうな場所に向かっていた。加藤さんが聞いたところによると、スーパーやコンビニエンスストアはもう全滅らしい。そこでゆりが「飲食店は?」と提案したところ、それはいいかもしれないねと加藤さんも同意し、目的地が決まった。そして三人はとあるファミリーレストランを訪れたところ、智子が捨てられていたダンボールの山を発見した。加藤さんが店舗の従業員にダンボールをもらってもよいか尋ねに行ったため、その場に残された智子とゆり。智子はもし加藤さんがいなかったら、二人とも従業員に声なんて掛けられないので盗むしかなかったねとゆりに話しながら…従業員の目を盗んでゆりを手引きする自分自身と、キリッとした表情のゆりがダンボールを両手に抱えているイメージを妄想したが、ゆりからは「それくらいは 声かけられるけど」とあっさり返されてしまう。

従業員の許可を得た加藤さんは智子と二人がかりでダンボールの山を持ちながら、ゆりは智子の妄想通り両手にダンボールを抱えながら、三人は学校まで戻ろうとしていた。ゆりが「重い……」とつぶやくのを聞いた加藤さんは、「ちょっと欲ばり すぎたかもね」と答えた。そこで智子は助っ人を要請することを提案し、根元さんと岡田さんが助っ人として駆けつけてくるが、そこで彼女たちが目にした光景とは…?

登場人物

使用映像

ダンボールに座った根元さんに向かって、智子がいきなり「ネモさーーー 絶対に 死なないでね」と話しかけた。根元さんは「急に何?」と尋ねるが、智子は事故に巻き込まれて亡くなった女子高生の報道中に、友人が撮影したという彼女の生前の姿が映っていたことを朝のニュースで知ったという話をするが、その流れで根元さんが今 亡くなってしまったら映画のとあるシーンが流されることになってしまうので、さすがに遺族に申し訳ないからというとんでもないことを言い出す。それに対する根元さんの決意、そしてそのやりとりを聞いていたゆりが発した言葉とは…?

登場人物

登場人物

※この項目では上記以外の登場人物を挙げる。

大隣凪(扉絵) 宮崎さん(扉絵)

名言

あの二人 いなかったら 終わってたな…(黒木智子)

うん……… あっちの方が私達より濃いし(眼鏡監督)

補足

美保さんがうっちーをあだ名で呼んだ時の「絵っちゃん」は、「絵」という漢字から(智子が付けたあだ名の)「絵文字」が由来だと思われる。

研究ノート

扉絵

蛍輝祭の準備で賑わっている3年4組前の廊下を、笑顔でスマートフォンを眺めながら歩いている智子と根元さん。一歩離れたところから二人の様子を窺うゆり。向かい側からは、まるで三人を迎えるような笑顔で見つめる凪さん。教室の中では準備中の宮崎さんと、廊下の様子に気付くうっちー。

扉絵

外部リンク

喪210_前編.1668002342.txt.gz · 最終更新: by syumote