モテないしきーちゃんの進路も決まる
収録巻 | 14巻 |
英題 | I'm not popular, so I'll decide Kii-chans career path. |
ページ数 | 16 |
初出 | 2018年9月20日 |
ゴールデンウィーク(GW)編。前話(喪141)より引き続き、黒木智子と里崎希心がGW中に訪れた原宿教育学園幕張秀英高等学校での出来事を描いた短編回。
サッカー部の試合を観戦していた智子達。智子はプレー中の黒木智貴を眺めながら、弟がサッカーをプレーしている姿を見るのは初めてで、女に応援される身分とはな…と思っていた。すると、後方に新入生の平沢雫がいることに気付く。
平沢さんから学校に来た理由を尋ねられた智子は、いとこ(きーちゃん)と一緒に学校見学に来たついでに…と答えた。続けて智貴が出場していることを智子から伝えられた途端に色めき立ち、慌てた様子で智貴を探し出そうとする平沢さん。そして智貴を発見後、「先輩(智子)の弟さんって聞くと凄く恰好よく見えます」と笑顔で話す平沢さんの背後からスマートフォンのカメラのシャッター音が聞こえてきた…。
きーちゃんから「お姉ちゃんそろそろ行こう」と言われた智子が移動しようとすると平沢さんも同行を希望した。智子から彼氏の応援はしなくていいのかと尋ねられた平沢さんが多分前半は出番がないから大丈夫だと答えたことで、三人で行動を共にすることになった。
智子は杏奈と一緒にいた吉田茉咲が犬と何やらやっている光景に出くわした。杏奈が智子に気付いて吉田さんに声をかけたことで吉田さんも智子に気付き、声をかけてきた。吉田さん達はバイク通学がバレて謹慎処分を受けた麗奈の謹慎明けの日なので彼女を迎えに来たのだと言う。
犬の行為に対して赤面しつつも怒った吉田さんがほっぺたをぐりぐりする制裁を犬に行っていた所、「何してるの?」というきーちゃんの問いかける声が聞こえてきた。「瞳孔収縮状態」のきーちゃんと平沢さんは智子の所に戻ろうとしていた時に吉田さんの制裁を目撃していたのだ。きーちゃんの声に気付いた吉田さんの「誰だよてめーは?」という問いを無視したきーちゃんは、動物をいじめる人は嫌いで智子の友人でも許せないと静かに怒りを向けた。一触即発の事態となった二人はどうなってしまうのだろうか?そして、学校を後にした智子ときーちゃんはとある場所へ向かう。
※上記短編「あらすじ」の項目を参照。
彼 落ちるのが得意なのかもしれませんね(平沢雫)
天然【ナチュラル】畜生だから友達できないんじゃね……(黒木智子)
あっごめん 話すブタがいたからめずらしくてつい!(小宮山琴美)
本当このヤンキー ラッキースケベ発生機だな……(黒木智子)
私だけだと思ってたのにな……(里崎希心)
今みたいにね お姉ちゃんに嫌がられてもいつも側にいるよ(同上)
「ターゲット」での智子のセリフにて小宮山さんを説明する時に例に出された「鮎喰響【あゆくいひ●き】1)」の元ネタは漫画『響 〜小説家になる方法〜』(柳本光晴)に登場する主人公の女子高生・鮎喰 響【あくい ひびき】と思われ、小宮山さん同様メガネをかけている。また、「小説じゃなくて」のくだりは、詳細は割愛するが主人公が「響」の著者名で15歳ながら小説家デビューを果たすことを指していると思われる。
「チン」にて吉田さんの怒りを買った智子が彼女のパンチを顎先に受けたことで脳震盪を起こしダウンしたシーンが描かれたが、英語では顎先を「chin(チン)」と表現しており、日本では主にボクシング用語として使用されている。また、顎先は人間の急所にあたるので強い衝撃を受けると脳震盪を起こしてしまう場合が多く、ここから吉田さんには急所の知識があり、智子への制裁に活かしていることが窺える。
原幕の校則に関してはこれまでの作中では特に言及されていなかったが、「チン」にて「バイク通学禁止」がそのうちのひとつであることが判明し、発覚した場合のペナルティも「謹慎および指導室(この時点では詳細不明)にて自習」という処分が下されることが判明した。また、この内容は後に智子と吉田さんが謹慎処分を受ける伏線となっている。詳細は原宿教育学園幕張秀英高等学校の「校則」を参照のこと。
これまでの作中で長らく本名が明かされておらず、本サイトにおいても便宜上「吉田友人たれ目」と呼称されていた女子生徒の名前が「杏奈【あんな】」であることが本人の自己紹介(「チン」)という形で明らかにされたことで、吉田グループ3名全員の名前が確定した。
「チン」 にて智子のかつての遊び場だった「中田商店」(駄菓子屋)が再登場している。作中での2年前に初登場した時(喪16)も智子がきーちゃんを連れていくという流れになっていた。
「チン」にて智子の思い出話に登場した姉妹がプレイしていたアーケードゲームの元ネタは『アイカツ!』(バンダイ)と思われ、2012年10月から2016年5月までと比較的長い期間に渡って稼働していた。余談だが同ゲームの様にカードを利用してプレイするタイプのゲームは法律上では「自動販売機2)扱い」とされており、本来設置されるゲームセンターやアミューズメントパークのほか、本話で描かれたスーパーマーケットなどターゲットとなる年齢層が集まる様々なジャンルの店舗にも設置されている。
ガンガンONLINEにて最終ページに記載されている次回更新日が前話に引き続き本話においても省略されているが、理由は不明。ただし更新日自体は本作品のページより容易に確認可能である。
中田商店のカードゲームの勝敗ランキングは、2年前に5位だった「せいや」が2位になっている以外は全て入れ替わっている。ただし、1位の「よしお」は名前からよっちゃんの可能性もある。
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