前置き
ワタモテには他の漫画作品にはあまりない稀有な魅力がいくつかありますが、その中の一つに「誰もが一度は経験し悩んだことのある思春期における人間関係の問題を、絶妙なギャグとリアリティのバランスの上で描いている」というのがあると私は思っています。これがあるためにガンガンONLINEで最新話が公開された後に掲示板やツイッターで感想を語ったり他の人の感想を読んだりするのがとても楽しい。
その楽しさの解りやすい例は荻野先生に対する評価です。ある人は結果的に生徒を良い方向に導いているのだから良い先生だと言い、またある人はそれは単なる結果論でその手法が独善的でデリカシーに欠けると批判する人もいます。そして私はこのどちらの意見にも賛成できる部分があると考えます。なぜならどちらの意見も自分の学生時代の体験をもとに、教師という職業に何を期待するかというその人の考えが反映されているからです。

自身の体験をもとにした感想や意見は説得力を持ち、ワタモテを読んでいるとそういう感想に出会えることが多い。本編を読んだ直後にはいまいち面白さが分からなくても、他の人の感想を読んで自分でも考えているうちに面白くなる回なんてしょっちゅうです。なので私はワタモテという作品が好きなのか、それともワタモテを一緒に楽しむファンの人たちが好きなのか、たぶん4対6くらいで後者だと思っています。
そのせいか私は他の人の感想を読んでいるだけで満足してしまい、ここ最近は特に自分の感想を語るということをしてなかったのですが、ここらで自分の心の中だけで温めていた特定のキャラクターに対する私の考えを3つの記事にまとめてみなさんに読んでいただきたいと思います。
というわけで今回の記事は「私の中の清田くん」についてです。
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