屋上の扉の前でひとり机に囲まれてお弁当を食べるもこっち

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単行本3巻8ページ目(喪19:モテないし二学期が始まる)にある1コマ。

二学期始めの席替えで比較的にぎやかなクラスメートに囲まれた席になってしまったもこっち。眼鏡をかけた男子に声をかけられるも打ち解ける事はできず、孤立感は深まるばかりで「BR(バトルロワイヤル)法が成立してこのクラスが選ばれればいいのに…」だなんて妄想をして逃避しますが、昼休みにトイレに行ってる間に他の女子に椅子を取られてしまいます。

当然、椅子を返してだなんてもこっちには言えるはずもなく、お弁当を食べる場所を探して校内をさまよい、さすがにトイレで食べるのだけは避けつつ最終的に予備の机が並べられた屋上の扉の前に落ち着きます。

それが上の画像の1コマなのですが、自分を囲むように配置された机に隠れてお弁当を食べる姿が涙を誘います。賑やかな場所で一人ぼっちでいるより、静かな場所で一人ぼっちでいる方が気が休まるのか、教室よりもここが自分の居場所だと決めて休み時間の度に訪れ安住しそうになるもこっちですが、それもつかの間、文化祭の準備のために机は全て持ち出されてしまいます。

この辺りは、がらんとした屋上の扉前の踊り場に差し込む光と、お弁当を持ったまま一人で呆然とするもこっちの描写がこれまた良い感じですが、ここでもしずっと机が持ち出されず、もこっちがいつまでもこの場に安住していたら危なかったですね。それはそれである意味幸せなのかも知れませんが物語的には BAD END でしょう。ぼっちに居心地の良い場所は非常に危険な諸刃の剣だと思います。

つらいことや哀しいことは人生を楽しむ為の香辛料だみたいな言葉を何かの本でみたけど… スパイスばっかだよカレーしかできねーよ!

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単行本2巻121ページ目(喪18:モテないし夏が終わる)にあるモノローグ。

夏休みも終盤にさしかかり再び焦燥感にかられたもこっちは、はくちょう座流星群を見に、コンビニでカップメンを買って一人で公園のベンチに座ります。そして夜空を見上げながらふいにやってきた哀しみに涙をにじませながら思います。

なんで夏の終わりってこんなに哀しいんだろ…

夏休みが終わるから? 新学期への不安? 焦燥…? それとも夏の最後に一人で星みながらラーメン食ってるから…?

つらいことや哀しいことは人生を楽しむ為の香辛料だみたいな言葉を何かの本でみたけど… スパイスばっかだよ カレーしかできねーよ!

哀しんでいる割には上手い事を言うものですが、香辛料で美味しく感じる人生ならそもそも甘い人生には成りえませんね。まあそんな野暮な事は置いておくとして、いわゆる格言やことわざというものに時々妙に腹が立つという気持ちはよく解ります。

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そ…その私が女王なんだ

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単行本2巻91ページ目(喪16:モテないし挽回する)にあるセリフ。

図書館の一件で失った面目を取り戻そうときーちゃんにいいところを見せようとするもこっち。近所の駄菓子屋で小学生の子供たちが興じるカードゲームの去年のランキングで堂々の1位に君臨する「女王 (クイーン)」こそが自分だと、少し照れながら告白します。

一方のきーちゃんは、去年の時点で中学3年生のもこっちが小さい子供たちに混ざってカードゲームをしている事に少しひきはじめます。そして小学生相手にカードゲームでイカサマまでして勝つもこっちを見て、きーちゃんは顔を真っ赤にしながら涙を流します。

もこっち「か 格好良かった…かな? そ…そのきいちゃんにいい所見せたくてさ…」(照)
きーちゃん「あああ…!! だめだ…!!」(涙)
きーちゃん「うん…かか…格好良かったよ…」
もこっち「ほ…本当!? へへへ…」

きーちゃん (お姉ちゃんにもっとやさしくしてあげよう)

きーちゃんの気持ちがすごくよく解ります。ここまで徹底してダメだと、ひくとか見下すとか以前に愛おしくてたまりません。

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もう言い訳とか無理だ! やるべきことは一つ!! 幸いきーちゃんには見られていない

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単行本2巻84ページ目(喪15:モテないし再会する)にあるモノローグ。このモノローグが良いというより、その次のコマの土下座のシーンが名場面ですね。

年下の従姉妹のきーちゃんと行った図書館で、「喪5:モテないし宿る」で出会った黒髪のイケメンと再会したもこっち。傘をくれたのがこのイケメンだと教えてもらい、微妙に間違えているものの名前を呼んでもらって少し取り乱します。そんな様子をきーちゃんに見られていて、ついそのイケメンを以前から話していた年上の彼氏だと嘘を言ってしまったもこっちですが、翌日そのイケメンが彼女らしき女子と一緒にいる所をきーちゃんと一緒に目撃してしまいます。

そしてショックのあまりトイレの個室に一人こもって、トイレットペーパーをからからと引き出すという訳のわからない行動にでるもこっちを見かねたきーちゃんは、そのイケメンをもこっちの彼氏だと思い込んでいるのでイケメンに抗議をするという行動にでます。

少し気分を落ち着けてトイレから出てきたもこっちはそんな場面を目撃してしまい、きーちゃんをいったん遠くへ追いやったあと、この完全にとばっちりを受けたイケメンに対して全力で土下座をして謝ります。結局もこっちを心配したきーちゃんはその土下座を見てしまい、きーちゃんの中でのもこっちの株は一気に急降下するのですが、ここまでの流れが実に見事なふんだり蹴ったりの連携プレーだと私は思います。

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こいつ処女膜から声出てんな…

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単行本2巻61ページ目(喪14:モテないし見栄をはる)にある、もこっちの想像上のきーちゃんのモノローグ。

3つ下でよくもこっちを慕ってくれている従姉妹のきーちゃんが遊びにくる事になり、処女臭の漂う自分を見られたらこれまでに見栄をはってついてきた嘘がきーちゃんにバレるのではないかと危惧するもこっち。

こんなくそダサい服着て… 家にこもってるのバレバレな肌の青白さ… 漂う処女臭…

小学生のきーちゃんならダマせたが、今の私で中学生のきーちゃんを欺けるのか…!?

いや無理だ!!

もこっち「いやー毎日やりまくりでさー」

きーちゃん「へー (こいつ処女膜から声出てんな…)」

このあとのコマの、「しかし今さら男どころか友達すらいないなんて言えないし… 私だってちょっとくらい人から尊敬されたい」というもこっちのモノローグが涙を誘います。このコマは誰もいない教室で一人たたずむもこっちの後ろ姿も良いですね。

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