屋上の扉の前でひとり机に囲まれてお弁当を食べるもこっち

Watamote-vol3-008p

単行本3巻8ページ目(喪19:モテないし二学期が始まる)にある1コマ。

二学期始めの席替えで比較的にぎやかなクラスメートに囲まれた席になってしまったもこっち。眼鏡をかけた男子に声をかけられるも打ち解ける事はできず、孤立感は深まるばかりで「BR(バトルロワイヤル)法が成立してこのクラスが選ばれればいいのに…」だなんて妄想をして逃避しますが、昼休みにトイレに行ってる間に他の女子に椅子を取られてしまいます。

当然、椅子を返してだなんてもこっちには言えるはずもなく、お弁当を食べる場所を探して校内をさまよい、さすがにトイレで食べるのだけは避けつつ最終的に予備の机が並べられた屋上の扉の前に落ち着きます。

それが上の画像の1コマなのですが、自分を囲むように配置された机に隠れてお弁当を食べる姿が涙を誘います。賑やかな場所で一人ぼっちでいるより、静かな場所で一人ぼっちでいる方が気が休まるのか、教室よりもここが自分の居場所だと決めて休み時間の度に訪れ安住しそうになるもこっちですが、それもつかの間、文化祭の準備のために机は全て持ち出されてしまいます。

この辺りは、がらんとした屋上の扉前の踊り場に差し込む光と、お弁当を持ったまま一人で呆然とするもこっちの描写がこれまた良い感じですが、ここでもしずっと机が持ち出されず、もこっちがいつまでもこの場に安住していたら危なかったですね。それはそれである意味幸せなのかも知れませんが物語的には BAD END でしょう。ぼっちに居心地の良い場所は非常に危険な諸刃の剣だと思います。