喪200 モテないし200回目だから10周年で募集したベストコンビ5組の話(後編)を読んだ感想

今日はアプリで喪200 モテないし200回目だから10周年で募集したベストコンビ5組の話(後編)が公開されました。

いつもは私モテ掲示板というページのコメント欄を使ってかんたんな感想を書いてるんですけど、今回はあるキャラのある台詞を読んでから、今回の話だけでなくワタモテという作品全体を通して考える思考から離れる事ができなくなってしまったので、その概要をできるだけかんたんに一つの記事にまとめたいと思います。

なお決して大げさなものではなく、長い割にたいした内容もないのであまり期待をせずに読んでください。

長い前フリ

10年前にワタモテの連載が始まった時、そういう表現が当時あったかどうかは知りませんが、初期のワタモテを今一言で表現するなら「ぼっち漫画」あるいは「喪女漫画」という事になるかと思います。

そして高校2年の修学旅行を境に、主人公であるもこっちにたくさんの友達ができてぼっちではなくなり、喪女という言葉の厳密な定義はともかく今のワタモテを喪女漫画と呼ぶ人はまず見かけなくなりました。

この変化に肯定的な人の中には今のワタモテを「青春群像劇」と呼んだりする人がいて、その一方でおそらく否定的な人は「百合ハーレム漫画」と呼んだりしてるのかな、と色々な場所の感想を通じて漠然と考えていましたが、私個人としてはこのどちらもあまりピンと来ないというか、どちらもちょっと大げさだなと密かに思っていました。

まあ自分が読んでる漫画をその人がどう捉えるかはその人の自由だと思うので、別にこれらの表現を否定するつもりはありませんが、他ならぬ主人公のもこっちが今何を望み、何を欲しているのか分かりにくい現状で、今回ゆりちゃんが将来のささやかな夢を語った事で、ワタモテという作品全体に通じるゆるいテーマのようなものが見えた気がします。

それは「青春」と「憧れ」です。

もっとセンスのある上手い表現を思いつけば良かったんですけど、このあまりにも陳腐な2つの言葉が私にはとてもしっくりきます。

思えば初期のワタモテはリア充になる事に憧れる女の子の物語でした。そして友達ができた後はリア充になったらやりたいと思っていた憧れを少しづつ実現していってます。憧れを実現しようとするエネルギーの様なものが弱くなってしまったのは問題ですけどね。

初期のもこっちの憧れと憎悪の対象だったネモや清田くんにも「憧れ」があります。ネモには声優になるという夢と、アニメのような学校生活を送りたいという憧れが、清田くんには将来の夢を持ってる人への憧れがありました。

Kiyota_11

青学に入学してクリスマスのイベントに参加するという中学生の頃からの憧れに向けて頑張ってるのが加藤さんですね。そして彼女を含めたみんなで青学に入学したいという憧れが今のワタモテの大きな一本の柱になっています。

中には「シンプルに智貴君のお兄ちゃんになりたい」という憧れを抱いている変人もいますけど、まあ高校生なら具体的に夢と呼べるようなものがなくても、漠然と「こうなりたい」とか「これをしてみたい」という憧れを持っているのが普通で、友達にもめったに話さないような各キャラの密かな憧れみたいなものがもう少し見えるようになると、「群像劇」という表現もしっくり来るようになるのかなと思います。

簡素な本題

でここからが本題なんですけど、今回ゆりちゃんが「(売れないお笑い芸人が)30過ぎても一緒に遊園地で遊んだり大人数で住んだり楽しそうで」と言った時私は思わず「わかるわー」と思いました。

このゆりちゃんらしくはあるけど、ちょっと高校生らしくはない憧れは、ワタモテ読者のボリューム層であるおじさんの憧れでもあるんじゃないかと思ったわけです。

まあ30過ぎてシェアハウスはそこまで憧れませんけど、大人になっても中高生の時みたいに遊んだりバカ騒ぎしたりできる友人がいたりその環境がある人は私は正直羨ましいと思います。

憧れはそのまま自分の好きなコンテンツにもつながりやすいというか、分かりやすい例を挙げると「水曜どうでしょう」みたいに、いい年したおじさんが中高生みたいな発想で真剣に遊んだり競ったりする番組だったり動画が私は大好きです。

私が好きなのは現実に実在するおじさん達がわちゃわちゃやってるコンテンツですけど、今のワタモテを百合的に楽しんでる人たちもひょっとしたら私と大きな差はないのかなとも思ったり。

二次元の女の子たちが仲良く楽しそうにしてるワタモテを読んで、掲示板でああでもないこうでもないと語り合う現実のおじさん達。私が日ごろからワタモテは他の人の感想を読んでる時の方が楽しいと言っている理由に明確な説明がついて、私は自分で「そういう事だったのかー」と妙な納得をしてしまいました。

余談

今回のゆりちゃんの台詞で私が「お?」と思ったのは実はもう一つあって、私はそこから今の映画製作が進まぬ理由や問題点についてもだいぶ考えたんですけど、ただでさえ批判が多い中でさらに批判と受け取られかねない感想を書くのはちょっとどうかと思ったので、今回書くのはやめておきます。

いずれ映画の話が進めばただの笑い話になりますしね。

上で言った通り本当に長い割に大した内容もなくてすみませんが、今回の感想は以上です。