単行本6巻49ページ目(喪50:モテないし夕暮れの教室で一人佇む)のもこっちのモノローグ。
体育の補習で遅くまで学校に残ったもこっち。廊下を歩いているとふと生徒会室のドアが開いている事に気づき、中を見てみると夕暮れ時に窓の外を眺めて佇む今江先輩の姿を見つけてドキドキしてしまいます。
今江先輩の「今にも物語が始まりそうな美少女具合」にピンと来たもこっちは、さらに図書室で一人読書するこみちゃんの姿も確認して、「夕方の教室という環境で一人でいれば美少女はさらに美少女に! イマイチな奴も補正でそれなりに見えるのか」と結論づけます。
スマホのカメラで写真を撮ってそれが自分の場合でも適用される事を確認したもこっちは、今度は男子から声をかけてもらって「物語」を始めるために「夕暮れの教室で一人佇む」という作戦を実行します。この辺、ロマンチックな感性を持ちながら、それをちゃっかり利用するリアリストな部分もあるという描写が良いと思います。
最初は自分のクラスの教室で佇んでいたもののクラスメートの男子には声をかけてもらえず、「見知らぬ男子生徒」に声をかけてもらうために空き教室を探してそこで佇む事にしましたが、今度は一週間たっても誰一人やって来ません。
淡い期待をまたもや裏切られたその時のもこっちのモノローグがこちら
誰も来ねえよ……! ぶち殺すぞ……
鈍感男子高校生と出会って物語始まらねーのかよ……
なんで誰も私を見つけてくれないのだ… なんで誰も私を気にしてくれないのだ…
私には物語のヒロインのような主人公に気づかれる能力がないのだろうか…
もこっちの理想と現実と苦悩と問題点の全てを言い表している「なんで誰も私を~」の部分が特に良いと思います。このモノローグで思わずこちらも感傷的な気持ちになって目頭が熱くなってしまいますが、そこへ突如として現れた荻野先生の相変わらず空気を読まない豪快なバカさに全てを持ってかれてこの話は終わるのでした。
ちなみにこの部分は英語版6巻だとこうなってます。
NO ONE’S COMING……! I’LL KILL THEM ALL……
MY STORY WON’T BEGIN IF I CAN’T MEET A CLUELESS HIGH SCHOOL BOY…
WHY HASN’T ANYONE FOUND ME…? WHY ISN’T ANYONE PAYING ATTENTION TO ME…?
DO I LACK A STORY HEROINE’S ABILITY TO CATCH THE PROTAGONIST’S EYE…?