モテないし弟を気遣う
収録巻 | 4巻 |
英題 | I'm not popular, so I'll mother my brother. |
ある日、出かけようとした黒木智子は智子母から黒木智貴の高校受験の願書を投函する様に頼まれた。受験先が県外の埼玉県だったため、訝しがる智子。
一週間後、智貴は原宿教育学園幕張秀英高等学校(通称「原幕」)への推薦入学が決定した中村くんから「原幕来いよ」と誘われるが、原幕の推薦入試を見送り埼玉私立浦和東南高等学校(研究ノート参照)を受験することを伝える。その理由は智子が原幕に在籍しているからであった。
その頃、願書を投函し忘れたことに気付いた智子は顔面蒼白になる。受験票が送られてこないことに疑問を感じた母からの追求に対して開き直ってしまい、こっぴどく叱られてしまった智子は智貴に、出願期限を超えてしまったために浦和東南の受験ができなくなってしまったことを泣きながら伝え、謝罪した。事情を説明するという母の提案をあっさり断った智貴は結局、一般入試で原幕を受験することを決める。
後日、さすがに責任を感じた智子は智貴に許してもらおうと再度謝罪するが、智子に対して何とも思っておらず、本当は原幕に行くつもりだったと智貴から伝えられた途端、手のひらを返す様な態度に出た智子はしばらくの間、口をきいてもらえなくなってしまう。
いや…まぁ何も なければ俺だって 原幕に行くんだが… 何もなければ!!(黒木智貴)
出し忘れたけど それがどうかしたの?(黒木智子)
別にねーちゃんに対して なんとも思ってねーよ 本当は行くつもり だった高校【ばしょ】に 行くだけだよ(黒木智貴)
本話にて智子が在籍している高校の名称および通称が判明した。また、中村くんの発言から同校がサッカーの強い高校であることもわかる。
作中、智貴の受験や合格発表などの描写はないが無事に入学したことが確認でき、喪41以降は原幕生として描かれている。
作者インタビューにて読者からの反響で特に印象に残っていることとして本話が挙げられた。智子が智貴の願書を投函し忘れた行為については打ち合わせの時点で担当から「クズすぎる」と言われていたにもかかわらず、別に大丈夫だと思って発表した後、まさか読者から「本当にクズ」だと言われてしまうとは思わなかった(原作担当)・そういう反響のおかげで本作品が続けてこられた面もあるのでいい反響にせよ悪い反響にせよありがたい(作画担当)とコメントしている(『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 公式ファンブック 喪』152ページより)。
「埼玉私立」という語に違和感があるので、「さいたま市立」と書くところを「埼玉私立」と智貴が誤記した可能性がある。その場合、浦和東南高校のモデルとしてはサッカーの古豪・強豪校でサッカー選手のOBを多数輩出しているさいたま市立浦和高校か同浦和南高校が想定され、特に後者は校名も似ているが、実際にモデルとされたかは不明。ちなみに、両校とも原則として保護者とともに埼玉県内に居住する者の入学しか認めておらず、願書の提出締め切りは2月の中旬から下旬であるが郵送は受け付けていない。
媚びへつらうような笑顔を智貴に向ける制服の智子と目をそらす学生服の智貴