喪210_中編
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喪210_中編 [2022/11/28 14:59] – [清田くんのフォローについて] 解釈が分かれている気がするので2説に分けて加筆修正。個人的には説2が自然な気がします。 sobaya | 喪210_中編 [2024/07/08 12:41] (現在) – [聖地情報] リンク修正 akamemukan | ||
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===== 基本情報 ===== | ===== 基本情報 ===== | ||
- | | 収録巻 | | | + | | 収録巻 | [[23巻]] |
| 英題 | | | | 英題 | | | ||
| ページ数 | 11 | | | ページ数 | 11 | | ||
+ | | 初出 | 2022年11月10日(アプリ) | | ||
===== あらすじ ===== | ===== あらすじ ===== | ||
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==== 焼かれる ==== | ==== 焼かれる ==== | ||
- | [[田村ゆり]]は、珍しく[[田中真子]]がひとりでいることに気付く。真子から空いている席を勧められたり、食事に行った際に注文するメニューを尋ねてくれたり、と自分に対して度々世話を焼いてくれていた1年次のことを思い浮かべながら「いつも真子に世話を焼かれてきたけど 今日は私から焼きにいける」と決意したゆりは、(真子がひとりでいるこのチャンスを逃さないよう)真子に声を掛け、一緒に蛍輝祭の飾り付けをやろうと誘った。 | + | [[田村ゆり]]は、珍しく[[田中真子]]がひとりでいることに気付く。真子が自分に対して度々世話を焼いてくれていた1年次のことを思い浮かべながら「いつも真子に世話を焼かれてきたけど 今日は私から焼きにいける」と決意したゆりは、(真子がひとりでいるこのチャンスを逃さないよう)真子に声を掛け、一緒に蛍輝祭の飾り付けをやろうと誘ったが…。 |
- | + | ||
- | ところが、スマートフォンでSNS(らしきもの)を眺めている真子は、視線をスマホに向けたままゆりからの誘いを断ってしまう。それでも表情を変えずに目の前に居座り続けるゆりに驚いた様子の真子は「ごめん一緒にやろうか」とゆりに謝り、ゆりも了承したことで[[根元陽菜]]や[[黒木智子]]と一緒に四人で飾り付けをやることになった。真子はゆりに「はい ゆりこれ使って」と油性マジックを手渡すが、油性マジックのキャップを開けながら何かに気付いたようなゆりは、キリッとした表情で真子に「さすが真子 汚い」と言い放ち、真子は不思議そうに「何が? | + | |
=== 登場人物 === | === 登場人物 === | ||
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==== 間 ==== | ==== 間 ==== | ||
- | 智子は根元さんと一緒に、[[二木四季]]のスマートフォンから再生している撮影動画をチェックしていた。スマホの画面にはバッターの[[楠夏帆]]とキャッチャーのゆり、そして審判の[[伊藤光]]が映し出されている。智子は、二木さんから編集したらおそらく15分ほどの尺しかないと告げられたことに驚くあまり「えっ!? | + | [[黒木智子]]は[[根元陽菜]]と一緒に[[二木四季]]のスマートフォンから再生している撮影動画をチェックしていた。智子は、二木さんから「編集したらおそらく15分ほどの尺しかない」と告げられたことに驚くあまり「えっ!? |
- | + | ||
- | 場面が変わり、再び撮影動画…「今日帰りどこ寄ってく? | + | |
- | + | ||
- | この時、智子と一緒に画像をチェックしていた小宮山さんからツッコミが入った。智子はテンポが良すぎたので「間」を使っていこうかな…と説明するが、小宮山さんからは「絶対間を使うシーンじゃねーだろ」と更にツッコまれてしまうのだった…。 | + | |
=== 登場人物 === | === 登場人物 === | ||
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==== お祭りさわぎ ==== | ==== お祭りさわぎ ==== | ||
- | 智子と根元さんと一緒に撮影動画を観ていた二木さんは、他クラスの生徒が結構いることに気付くが、そのことに対して智子は「まぁ別にそこは祭りだし自由にやっていこうかなって」と説明したことで、何かを感じたような表情をしていた。そして二木さんは、自分たちの代わりのカメラマン要員として[[柿沼くん]]・[[廣畑くん]]・[[南小陽]]・[[美馬サチ]]の四名を紹介する。「自分たちの代わり」とはどういうことなのか尋ねた岡田さんに、二木さんは[[喪207|前回の撮影時に差し入れのカヌレが原因で多数の生徒がリタイア(欠席)したこと]]で人員が不足したので、自分たちがキャスト側に回る必要があると理由を説明し、更にお手伝い要員として[[杏奈]]・[[麗奈]]の二名も紹介した。紹介された生徒たちは二木さんの人脈(主に交友仲間)によるものだったのだ。そんな中、岡田さんは他クラスの生徒が参加することについて疑問を呈したが、[[鈴木くん]]が「緊急だしよくね? | + | 智子と根元さんと一緒に撮影動画を観ていた二木さんは、他クラスの生徒が結構いることに気付くが、そのことに対して智子は「まぁ別にそこは祭りだし自由にやっていこうかなって」と説明したことで、何かを感じたような表情をしていた。そして二木さんは、自分たちの代わりのカメラマン要員として[[柿沼くん]]・[[廣畑くん]]・[[南小陽]]・[[美馬サチ]]の4名を紹介する。「自分たちの代わり」とはどういうことなのか尋ねた岡田監督に、二木さんは[[喪207|前回の撮影時に差し入れのカヌレが原因で多数の生徒がリタイア(欠席)したこと]]で人員が不足したので、自分たちがキャスト側に回る必要があるという理由を説明し、更にお手伝い要員として[[杏奈]]・[[麗奈]]の2名も紹介した。紹介された生徒たちは二木さんの人脈(主に交友仲間)によるものだったのだ。そんな中、岡田監督は他クラスの生徒が参加することについて疑問を呈したが、[[鈴木くん]]が「緊急だしよくね? |
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- | 清田監督の「こっちスタンバイOK--!!」という号令により、撮影が再開された。傍らにはカメラの代わりにタブレット端末を構えている廣畑くんの姿も見られる。撮影が残っていたのは、[[喪207|「下校途中に校舎から飛んできたボールをリフティングして校舎に戻す」という、計二日間で86回もNGを出してしまったくらい難易度の高いシーン]]だったが、鈴木くん→和田くん→鈴木くん→二木さん→杏奈さん→麗奈さん→[[快]]((かっくんのコマをよく見てみると、かごを広げてボールが入りやすくしていることがわかる))の連携プレイによって、見事一発で成功した。一発撮りできたことで、喜びで沸く塀の向こう側にいるメンバー。 | + | |
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- | その一方、スマートフォンで撮影中の南さんの隣で何もしていなかったサチは、「小陽ちゃん 何くだらないの参加してんの? | + | |
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- | 撮影がオールアップしたことで、乾杯する参加メンバー一同。清田くんは一安心した様子を見せ、岡田さんから助っ人として来てくれたことについて感謝の気持ちを伝えられた南さんは、戸惑いつつも返事していた。岡田さんが続けて他クラスのサチにも感謝の言葉を述べていた時に何かを考えている様子だった南さんは、「えーと……シコるって何? | + | |
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- | すると「するわけねーーだろ!!」と大声で反論する声が聞こえてきた。声の主は揶揄の対象にされた柿沼くんで、そのことをからかった麗奈さんに対しても必死に反論していた。もうひとりの対象である廣畑くんは、杏奈さんも面白がって「案外こっちじゃねー」と女装している和田くんを指し、「えー まぁいいけど」と笑顔で返事する和田くんにすかさずツッコミを入れる清田くんのやりとりを大汗をかきながら無言で眺めていた。柿沼くんは「お前が変なこと言うから!!」とサチを責めるが、内心では柿沼くんのことを見下しながらも無視を決め込み、無視すんなよと言われてもいっさい反応しなかった…。そして、一連のやりとりを見ていた二木さんが「クスクス」と声に出しながら笑い出した。その様子を目の当たりにした岡田さんと南さんは二人揃って驚くが、普段から二木さんと遊んでいる杏奈さんは笑顔で「なんで驚いてんだよ」とツッコんでいた。 | + | |
=== 登場人物 === | === 登場人物 === | ||
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===== 名言 ===== | ===== 名言 ===== | ||
- | 「今日は私から焼きにいける」(田村ゆり) | + | 今日は私から焼きにいける(田村ゆり) |
- | 「実質3-5でOKだろ」(清田良典) | + | 実質3-5でOKだろ(清田良典) |
- | 「南ありがとうな手伝ってくれて」「美馬もクラス違うのにありがとう」(以上、岡田茜) | + | 南ありがとうな手伝ってくれて(岡田茜) |
- | 「四股?」(同上) | + | 美馬もクラス違うのにありがとう(同上) |
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+ | 四股? | ||
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+ | するわけねーーだろ!!(柿沼くん) | ||
- | 「するわけねーーだろ!!」(柿沼くん) | ||
===== 補足 ===== | ===== 補足 ===== | ||
- | 「焼かれる」にて、ゆりの1年次の回想で真子・ゆり・ツインテールの女子・ショートカットの女子が一緒にいるシーンが描かれているが、後者二名(後ろ姿での登場)が友人関係なのかどうかは不明。 | + | 「焼かれる」にて、ゆりの1年次の回想で真子・ゆり・ツインテールの女子・ショートカットの女子が一緒にいるシーンが描かれているが、後者2名(後姿での登場)は当時のクラスメイトだと思われるものの、ゆりたちと友人関係なのかどうかは不明。 |
- | 「お祭りさわぎ」では蛍輝祭の設営途中の様子を描いたコマがあるが、横向きに置かれている看板には催し物と思われる「有志バンド」(クラス・部活不明)「台湾カステラ」(1年3組)と書かれていることが確認できる。 | + | 「お祭りさわぎ」では蛍輝祭の設営途中の様子を描いたコマがあるが、横向きに置かれている看板には催し物と思われる「有志バンド」(クラス・部活不明)や「台湾カステラ」(1年3組)と書かれているものが確認できる。 |
- | [[喪207]]で[[三家さん]]が差し入れた手作りのお菓子については同話では言及されていなかったが(ただし、形状から判断可能だった)、「お祭りさわぎ」にて、二木さんのセリフから「カヌレ」であることが明言された。 | + | 「お祭りさわぎ」にて、二木さんのセリフから[[喪207]]で[[三家さん]]が差し入れた手作りのお菓子が「カヌレ」であることが明らかとなった(カヌレについては喪207の補足も参照)。 |
- | 「お祭りさわぎ」にて、これまで本サイトにて「柿沼友人1」((ファンの間では「デブ」「デブくん」と呼称されていた))と呼称されていた人物の名字が「廣畑」であることが判明した(ただし、名字の読み方および名前は明らかにされていない)。また、それに関連して清田くんが柿沼くんと廣畑くんのことを「かっきー」「はたやん」とそれぞれあだ名で呼んでいることも判明し、(特に廣畑くんに対しては[[喪150]]での描写もふまえて)清田くんのクラスメイトに対する人柄が感じられる。 | + | 「お祭りさわぎ」にて、これまで本サイトにて便宜上「柿沼友人1」((ファンの間では「デブ」「デブくん」と呼称されていた))と呼称されていた人物の名字が「廣畑」であることが判明した(ただし、名字の読み方および名前は明らかにされていない)。また、それに関連して清田くんが柿沼くんと廣畑くんのことを「かっきー」「はたやん」とそれぞれあだ名で呼んでいることも判明し、(特に廣畑くんに対しては[[喪150]]での描写もふまえて)清田くんのクラスメイトに対する人柄が感じられる。 |
- | 「お祭りさわぎ」では、件のシーンに出演していた[[岡さん]]と男子生徒がリタイアしてしまったため(喪207)に和田くんが女装((この時のコマには「和田」という注釈が入っている))して岡さんの代役、鈴木くんが男子生徒の代役としてそれぞれ出演することになった。また、この時に和田くんが装着しているリボン付きのウイッグは、彼が1年次に蛍輝祭の催し物で女装して男の娘メイドになった時に装着していたものと酷似している([[喪192_後編#自嘲|喪192(後編)「自嘲」]] ((単行本[[20巻]])では、前後編が一本のエピソードとしてまとめられ、喪192として収録)) )。 | + | 「お祭りさわぎ」では、件のシーンに出演していた[[岡さん]]がリタイアしてしまったため(喪207)、和田くんが女装((この時のコマには「和田」の注釈入り))して彼女の代役を務めることになったが、この時に装着しているウイッグの詳細に関しては[[23巻おまけ# |
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+ | 単行本[[23巻]]には、前話・本話・次話が一本のエピソードにまとめられた喪210として収録された。また、巻末には「お祭りさわぎ」のその後を描いた[[23巻おまけ# | ||
===== 研究ノート ===== | ===== 研究ノート ===== | ||
==== 清田くんのフォローと廣畑くんの所属クラスについて ==== | ==== 清田くんのフォローと廣畑くんの所属クラスについて ==== | ||
- | 「お祭りさわぎ」では、二木さんが補充要員として頼んだ交友仲間が一部((問題の廣畑くんはともかく、南さんはクラスメイトのはずである。))他クラスの生徒だったので岡田さんが疑問を呈し、それに対して清田くんが「まあ廣畑【はたやん】と柿沼【かっきー】同【おな】クラだったし 実質3-5でOKだろ」とフォローするシーンがあるが、捉え方によっては矛盾が生じる。ここでは2通りの解釈を挙げる。 | + | 「お祭りさわぎ」では、前述通り二木さんが補充要員として頼んだ交友仲間が一部((問題の廣畑くんはともかく、南さんはクラスメイトのはずである。))他クラスの生徒だったので岡田さんが疑問を呈し、それに対して清田くんが「まあ廣畑【はたやん】と柿沼【かっきー】同【おな】クラだったし 実質3-5でOKだろ」とフォローするシーンがあるが、捉え方によっては矛盾が生じる。ここでは2通りの解釈を挙げる。 |
===説1=== | ===説1=== | ||
- | 「(清田くんが)二人とは2年次はクラスメイトだったけど、3年次は(清田くんが)二人とは他クラスになった」という意味に取ることができる。しかし3年次の所属クラスが明らかにされていない柿沼くんはともかく、廣畑くんは[[喪150]]の球技大会回で清田くん・和田くん・[[初芝くん]]とともに男子サッカーに参加していることから5組所属が確定しているはずのため矛盾が生じる。作者が廣畑くんの登場シーンを失念していたのかもしれない。 | + | 「(清田くんが)二人とは2年次はクラスメイトだったけれど、3年次は(清田くんが)二人とは他クラスになった」という意味に取ることができる。しかし3年次の所属クラスが明らかにされていない柿沼くんはともかく、廣畑くんは[[喪150]]の球技大会回で清田くん・和田くん・[[初芝くん]]とともに男子サッカーに参加していることから5組所属が確定しているはずのため矛盾が生じる。もしかしたら、作者が廣畑くんの登場シーンを失念していたのかもしれない。 |
===説2=== | ===説2=== | ||
- | 先述の清田くんのセリフを「(清田くん、廣畑くん、柿沼くんの)三人とも2年次はクラスメイトだったけど、3年次は柿沼だけが別のクラスになった」という意味に解釈すれば廣畑くんが5組所属であったとしても矛盾は生じない。 | + | 「(清田くん、廣畑くん、柿沼くんの)三人とも2年次はクラスメイトだったけれど、3年次は柿沼くんだけが別のクラスになった」という意味に解釈すれば廣畑くんが5組所属であったとしても矛盾は生じない。ただし清田くんは廣畑くんにだけ絡みながら((肩に手を回し、腹を揉んでいる。))問題のセリフを言っており、柿沼くんはよそ見をしているため、柿沼くんだけが別のクラスであることをフォローしていると解釈するにしては若干不自然さも残る。 |
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+ | →単行本23巻へ収録時に、清田くんのセリフが「まあ柿沼【かっきー】は同【おな】クラだったし実質3-5でOKだろ なあ廣畑【はたやん】ー」という廣畑くんへ同意を求めるような内容へ修正されたことで柿沼くんだけが別クラスであることが明確となり、説2の解釈が濃厚となったが、セリフの修正に伴い清田くんの言動と行動が合致したことで不自然な点も解消されたと言える。ただ、柿沼くんの所属クラスに関しては依然明らかにはされていないが、今後の展開に注目したい。 | ||
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+ | ==== 聖地情報 ==== | ||
+ | 「間」でゆりが「ラーメン」と言うコマの次のコマで描かれた建物はおそらく住友ケミカルエンジニアリングセンタービルの上部。この建物は[[喪216(前編)]]でも描かれる。 | ||
===== 外部リンク ===== | ===== 外部リンク ===== | ||
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