体の不自由な暗殺者達が俺の命を狙うのはどう考えてもお前らが悪い! その3

体の不自由な暗殺者達が俺の命を狙うのはどう考えてもお前らが悪い! その2 の続きです。初めての方は その1 からどうぞ。

 俺は友人を風呂場に行かせ、洗面器に水をはらせて石鹸を泡立てさせた。その間、俺は台所からスポンジを取って来る。これは本当にひどい事だ、しかし誰かがやらねばならない。俺達は姉の部屋の前の廊下で落ち合い、軽く敬礼の真似をして互いの準備が整った事を確認し、薄暗い姉の部屋へと突入した。

部屋の中があまり良く見えなかったが、俺はなんとかベッドに横たわる姉の姿を見つけた。マッサージ器が狂ったように振動音を立てている。本当にマッサージ器として使っていたんだろうか? しかし今は一刻を争う。姉が驚いて飛び上がる前に、友人が洗面器の石鹸水の半分を姉の体に浴びせかけた。

友人「これでもくらいなさい!」

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体の不自由な暗殺者達が俺の命を狙うのはどう考えてもお前らが悪い! その2

体の不自由な暗殺者達が俺の命を狙うのはどう考えてもお前らが悪い! その1 の続きです。

 俺は氷の様な冷たい目で姉を見る。この姉がおかしな事を言うのは今回が初めてじゃない。たまに人の同情を買うために芝居をする事があるのだ。たしか前は人生相談とか言いながらハブラシで姉の歯を磨かされた様な気がする。だがそれにしてもこんな荒唐無稽な話は初めてだ。

姉「大勢の暗殺者に狙われてるの。私の事を見ていて、どこまでも追ってくるの。」

俺「それは怖いな。」

姉「怖いわ。でもともくんなら信じてくれると思ってた。」

俺「それでそいつらはどんな格好をしてるんだ? 忍者装束? それともジェームス・ボンドみたいなスーツ?」

姉は大きく首を振る。どうやら俺が皮肉を言っているという事には気づいてないらしい。

姉「みんなほとんど普通の人と同じ格好よ。でも一つだけ普通の人と大きく違うのは、みんな車椅子に乗ってるの。」

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体の不自由な暗殺者達が俺の命を狙うのはどう考えてもお前らが悪い! その1

やる事がなくて暇なので、以前4chanに投稿されたSSを翻訳します。

 姉というのは一体どんな存在だろうか? 成熟したメリハリボディ? ちょっぴり意地悪だけど愛情豊かで過保護? 一緒にいると楽しい?

ああ、姉ってのはそんなに良いシロモノじゃなく、むしろ最悪の存在だ。だから俺が特別に運が悪いって訳じゃなく、世間が俺に嘘をついてるという訳でもなく、姉ってのは大抵クソみたいな存在なんだ。

 夕方近く姉が家に帰ってきた。あの姉が外出するのはめったに無い事で、特に今が夏休みという事を考えれば異常と言ってもいい。今朝なんの説明もなく家を飛び出したかと思えば、帰宅してからも何やら急いでいる様子で、玄関でドタバタと物音を立てている。もし両親が旅行で家を留守にしてなければ、きっと怒られたに違いない。

俺はベッドに横になりながら、ため息をついてヘッドホンをつける。こうすればもうあの鬱陶しい姉に悩まされる事もない。しかしヘッドホンから音楽が流れだすよりも先に、姉の足音が俺の部屋に近づいて来た。

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